人見知りの恥ずかしがり屋が恋する話 #2
〇〇さんと幼馴染のあやがいてくれたこともあって、人見知りがなくなるのは早かった。
大学に入学、〇〇さんと出会って半年が過ぎたある日、〇〇さんが芽依に聞いてきた。
〇〇)芽依ちゃん、そういえばサークルも何も入らないって決めたって言ってたよね?
講義が無い時間、どうやって過ごしてるの?
東村)何もしてないです。
散歩とかカフェ巡りとかお昼寝とか、その時の直感で動いてます。
〇〇)芽依ちゃんらしいね笑
東村)そういう〇〇さんはどうやって過ごしてるんですか?
入学式の時から、〇〇さんばっかり聞いてくるのズルいです。
〇〇)俺?
俺は講義が入っていない時間に合わせてバイトを入れて、バイトが無ければ寝てたりゲームしてたり……
丸1日何もないときは車かバイクに乗って自然を感じに行ってるかな。
東村)自然……
“そういえば前、あやが連れて行ってもらったって言ってたな………”
あの、〇〇さん。
〇〇)ん?
東村)バイクか車でどこか連れて行ってくれませんか?
自分でもビックリした。
人見知りと緊張で自分からアクションを起こすのは大の苦手やったのに、自分から、それも自然にお願いできたから。
〇〇)車かバイクで?
東村)はい。
ダメですか?
〇〇)いや、むしろ大歓迎笑
それじゃあ早速、今度の土日どっちかで晴れてたらバイク、雨だったら車でどこか行こっか。
東村)はい、よろしくお願いします。
そうしてドライブに行くことが決まった後、あやにその話をした。
高本)へ~、お出掛けする約束したんだ。
でも、よくめぇめから言えたね笑
東村)笑わんとって!
めっちゃ恥ずかしかってんから…
高本)恥ずかしがってるめぇめも可愛い!
東村)もう………
高本)〇〇とバイクで2人乗りか~。
モデルの仕事がしくなってからは乗ってないな~。
東村)そうなん?
高本)うん。
ほら、一応私芸能人だから、週刊誌の目とかもあるし、今は色んな人に助けられながら仕事させてもらってるからね。
その全ての人に迷惑が掛かっちゃうから、そういう報道が出ちゃう可能性がある2人でのお出かけは、しばらく控えようって約束したの。
恋愛は、ちゃんとしてればいいよって事務所からは言われてるんだけどね。
って言っても〇〇に恋愛感情はなくて、言ってみれば男女の友情ってやつ?
最後に乗せてもらったのは去年の秋かな。
バイクはね、最初は怖いって思ったけど走り始めたら気持ちいいんだよ!
東村)気持ちいい?
高本)そう!
バイクってさ、車と違って風が全身に当たるでしょ?
それがもう気持ちよくて!
360°、全身で自然を感じれるんだよね~。
車だと季節も天気も関係ないし、荷物も乗せれるしその気になれば車中泊もできるし、何より疲れない!
どっちもいいよ〜。
とにかく!
めぇめも好きになると思うよ?
あやはこう言うけど、ホンマなんかな?
そして土曜日、一人暮らしの家まで迎えに来てもらった。
あ、天気は晴れやからバイクで行くことに。
〇〇:L)芽依ちゃん、おはよう。
着いたから、準備できたら降りてきな~。
東村:L)おはようございます。
すぐ行きます!
〇〇さんから送られてきたLINEを見て、芽依はすぐに家を出る。
アパートの前に停まっていた緑色の大きなバイクは、バイクに乗ったことが無い芽依でも安定感があるって感じた。
〇〇)芽依ちゃんおはよう、待った?
東村)いえ、芽依も今さっき準備できたところでした。
〇〇)そっか、それじゃあ早速行こうか。
〇〇さんは予備のヘルメットを芽依に被せてくれた。
ジャケットも専用のを着せてくれて、プロテクターも付けてくれた。
ヘルメットにはインカム?っていうやつがついてて、走りながらでも普通に会話できるらしい。
バイクが大きくて乗るのがちょっと難しかったから、〇〇さんに手を持ってもらって後ろに座る。
〇〇)大きいからちょっと乗るの難しいよね。
怖くない?
東村)普段見てる景色より高くて、なんか見やすいです。
〇〇)そっか笑
あ、走ってるときは俺の腰についてる持ち手か肩を持ってね。
あと、怖くなかったらカーブを曲がるときは俺に合わせてくれると助かるかな。
それじゃあ行くよ〜。
※太字はインカムでの通話です
そうして走り出したバイクは、〇〇さんの運転でどんどん進んでいく。
バイクってすり抜けとか走り屋とかウー〇ーイー〇とか、そんなイメージやった。
でも、〇〇さんは加速は優しく、停まるときはできるだけ衝撃が無いように停まってくれるし、スピードも出し過ぎず遅すぎずの安全運転で、良くないイメージは出てこーへんかった。
〇〇)芽依ちゃん、怖くない?
東村)怖くないです、むしろ楽しいです!
〇〇)そりゃよかった笑
東村)そういえば、今日はどこに行くんですか?
〇〇)今日は湖を見に行こうかな。
もし寒かったり疲れたりしたらすぐ言ってね。
東村)ありがとうございます。
そうして都内から西に進んだたちは、神奈川県のとある湖にやってきた。
〇〇)降りるとき、足元気を付けてね。
東村)はい。
降りるときも手を持ってくれた〇〇さん。
途中の休憩もやったけど、こうしたさりげない優しさが嬉しかった。
東村)綺麗ですね、ここ。
〇〇) でしょ?
ここのペンチに座って、缶コーヒーを飲みながらボーっとして……
そういう過ごし方ばっかだよ笑
東村)それだけなんですか笑
〇〇)そうだよ笑
バイク乗りに理由なんて要らないんだよね笑
缶コーヒー飲むためだけに2時間走る、とかはよくある笑
東村)〇〇さんらしいです笑
夢と〇〇さんは、〇〇さんがそうしてるようにベンチに座って、芽供はカフェオレ、〇〇さんは缶コーヒーを飲みながらポーっとした。
〇〇)よし、それじゃ日も傾き始めてるし、完全に暗くなる前に帰るっか。
東村)はい。
そうして芽依と〇〇さんは都内に戻ってきた。
迎えに来てもらったから、帰りも当然送ってもらうことに。
〇〇)はい、芽依ちゃんの家に到着。
東村)今日はありがとうございました。
めっちゃ楽しかったです。
〇〇)それはよかった、でも疲れてない?
〇〇さんは初めてバイクに乗った芽依のことを心配してくれた。
東村)全然疲れてないです。
今度は朝から行けそうです!
〇〇) そっか笑
それじゃ今度はもう少し違いところ行ってるようか。
東村)はい!
今日はありがとうございました!!
〇〇)こちらこそありがとうね。
またね~。
そうして〇〇さんは走り去っていった。
そして月曜日。
高本)ねえねえ、土曜日晴れてたからバイクで行ったんでしょ?
〇〇とのツーリングどうだった?
東村)楽しかった。
高本)何したの?
東村)神奈川県の湖に行って、ベンチに座ってボーっと湖を見ながらカフェオレ飲んで帰ってきた。
高本) それだけ!?
東村)うん。
自分でもそう思うけど、それでも楽しかってん。
高本)いやいやいや、めぇめにはもっとやることあるじゃん!
東村)そんなんあったっけ?
やることって言っても、お礼を言うぐらいしかあらへんはず……
お礼は帰りにバイク乗ってる時と、家に送ってもらった時に言ってる。
他になんかあったっけ?
高本)も~、そんなの告白に決まってんじゃん、こ・く・は・く!
東村)ふぇ?
高本)ふぇ?じゃないよ!
〇〇のこと好きなんでしょ?
2人が行った湖なんてデートスポットじゃん、告白しなきゃ!!
〇〇はそこがデートスポットっていうのを知ってるかは分からないけど!
たしかに〇〇さんのことは好きやけど、いきなり告白やなんて…………
まだ〇〇さんのことはあんま知らへんし、何より恥ずかしすぎる!!
東村)好きやけど、まだ告白できるほど〇〇さんのこと知らへんもん………
高本)あ~、まぁ4月に出会ってからまだ10月だもんね~。
それじゃあさ、色んなとこに連れて行ってもらったら?
〇〇、あれでも沖縄と東北以外は関東を含めて色んなとこ行ってるからさ。
旅行だったら喜んで連れて行ってくれると思うよ?
泊まりで行ったらあんなことやこんなことも………///
東村)あんなことやこんなこと?
高本)そりゃ~男女が泊まりでお出掛けしたら夜はベッドでXXXとか。
東村)あや!!!///
高本)あははは笑
最後のは冗談だよ、冗談!
あやは恥ずかしすぎることをサラッと言ってきた。
芽依はそういう男女の関係のことなんて知らんかったから、聞いててめっちゃ恥ずかしかった。。。
高本)でもまぁ、連れて行ってもらうのはアリだと思うよ。
高校の頃私も色んなとこに連れて行ってもらったけど、めっちゃ楽しかったし。
東村)まさかあや、〇〇さんとシたことあるん!?/!
高本)…あはははは(大爆笑)
東村)なんで笑うん!!////
高本)だって、食い気味に聞いてくるから(大爆笑)
東村)…………///カァァァァッ
後からあやに言われたんやけど、この時の芽依は茹で上がったタコみたいに真っ赤になってたらしい。
マンガでよくある、真っ赤っかな顔、みたいな……
高本)いやいや、そんなわけないでしょ(大爆笑)
そのとき私まだ高校生だよ?
婚約してるわけでもないのにシたら、〇〇は捕まるって(大爆笑)
東村)もう……///
高本)とにかく、色んなとこに行ってるのは間違いないよ。
言ったら喜んで連れて行ってくれるはずだし、頑張れ~~笑
東村)あや…///
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