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NEUMANN U87Aiのサスペンションゴム交換にあたっての試行錯誤(使えるサスペンションの種類も)

Neumannのマイクに限らずですが、コンデンサーマイク用のショックマウント(サスペンション)のゴム紐がヘタって伸びてしまい、テンションが弱くなってグラグラしてしまうというのはあるあるです。

わりと伸びてしまったNeumann純正サスペンションゴム

あまりにゴム紐がビロンビロンになってしまうと、サスペンションの意味をなさず、マイクが落下してしまう危険性もあるので交換の必要がありますが、Neumann純正のサスペンションゴムは、ただのゴム紐なのに数千円もするので、自作品に交換する人もいます。

ネットで『U87Ai サスペンションゴム 交換』などのワードで検索すると、いくつかのブログ記事がヒットし、先人の皆様の工夫を学ぶことが出来ます。

それらを参考にしつつ、私も自分でやってみましたので、記録として残しておきます。

初手、いまいちだった百均の髪ゴム

サスペンションゴムの代用品として、よく用いられるのが髪ゴム(ヘアゴム)です。100円ショップに好みの長さに切って使えるヘアゴムが売っているので、入手しやすいです。まずはこれを試してみました。

百均で買ってきたヘアゴムを結んでサスペンションゴムを自作

近所の100円ショップには長いヘアゴムが1種類しかなかったのでこれを買って来ました。太さはだいたい4mmくらいでしょうか。純正ゴムの長さを目安にヘアゴムを切って、「本結び」というの結び方で結んで輪っかを作り、余分な端を切り落とします。

あらかじめ通しておいた熱収縮チューブを熱して、結び目を密閉します。

百均バージョンのサスペンションゴム完成です

早速、ショックマウントに装着してみます。純正のシルバー(白)色のゴムが黒くなってしまったのはしょうがないとしても、なんかゴム紐が太くてどうも不格好に思えます。

マイクも装着してみますが、なんだか随分見た目がダサくなったな。

うーん。。。見た目はおいておいても、どうもヘアゴムなので柔らかくてすごい伸びるんです。マイクを浮かすのがサスペンションの役目だとしても、どうも柔くて気に入りません。

もう少し細くて、固くて、伸びの少ないゴムを探すことにしました。

アウトドアショップで丸ゴムを入手

「髪ゴムは無いな」と思ったので、次なるゴム紐探しです。本当なら手芸ショップに行くのが一番良いと思うのですが、近所にないのでアウトドアショップに足を運びました。

アウトドアショップにはロッククライミング用などのロープを切り売りするコーナーがあり、そこでゴム紐も扱っていることを知っていたからです。

コーナーに行くとありました、太さ3mmの「丸ゴム」。

残念ながらシルバー色はありませんでしたが、黒と黒白柄の2タイプが売っていました。黒白柄も蛾の幼虫みたいで面白いかなと一瞬思ったのですが、無難に黒にすることにしました。

触ってすぐわかったのですが、100円ショップのヘアゴムよりは細くて固くて、伸びが少ないんです。かなりいいなと思いました。スポーツウエアのパーカーのフードのところなどに入っているゴム紐でしょうか。

間違いないなと思ったので3メートル買いだめすることに。

左がアウトドアショップの丸ゴム。右が百均の髪ゴム

アウトドアショップで購入してきた丸ゴムです。右のヘアゴムがボテッとした印象なのに対して、ある程度硬さがあるので、見た目もシュッとしています。

今回、サスペンションゴムの長さを試行錯誤したかったので、暫定留具として「コードロック」なるものも買ってみました。

巾着袋などについているあれ

最終的にはゴム紐の先端を金具で固定しようと思うのですが、緩めたりきつくしたりできるので、長さ調整にコードロックは便利そうです。

で早速作りました。写真左からアウトドア仕様、純正、百均、それぞれのサスペンションゴムです。

今回はなかなか期待できそう

早速ショックマウントに張ってマイクも装着してみました。どうです。水平にマイクを吊るようなこのようなセッティングでも不安要素のない強いゴムの張り!頼もしいです。

早速実戦投入ですが、なかなかいい感じ。

ゴム紐自体はアウトドアショップで買った丸ゴムで決まりですね。

最後にロープ先端金具で本チャン仕上げ

サスペンションゴムの長さは、純正ゴムと同じ長さと、少し短めを作って、実験しましたが、グランドピアノ用に、マイクを水平に吊るシーンがあることを考えると、テンション強めに張っておきたいという希望があり、短めでFIXすることにしました。

たった数日で役目を終えたコードロック

ゴム紐の長さが確定したので、最後は金具でゴム紐の端を固定します。用意したのは、「ロープ先端金具」という商品です。リンクしておきますね。

コードロックからゴム紐を外し、ゴム紐を指定の長さに切りそろえ

先端金具の中央に溝を作るように、電気工作用の圧着工具とペンチを使ってゴム紐の先をかしめていきます。

完成しました。

ショックマウントへの装着仕方にも一部工夫あり

ようやくサスペンションゴムが完成したので、ショックマウントに装着します。これはもう「本ちゃん」の装着となります。

サスペンションゴムは、ショックマウントの外枠に四角く橋渡しするように上下に2本装着します。

次に内側のフローティング用のパーツにもゴムをかけていくのですが、ゴム紐の先端金具がちょうどフックの裏に隠れるように位置調整します。金具の溝がフックに上手くハマって固定されます。

上下ともフックの下に先端金具を隠すと、ゴムの継ぎ目が見えなくなります。

この工夫により、ゴム紐の継ぎ目が見えないスッキリした見た目になります。

実験時に使っていたプラスチック製のコードロックは、見た目の問題だけでなく、厳密には音の反射も生んでしまうと思うので、本番では外します。

純正のシルバー(白)色のゴムではなくなってしまいましたが、純正ゴムよりもテンション強めにかかって、私的にはいい感じなので、これで良しとしましょう。

ようやく完成です。

上向き、下向き、水平

最後にマイクの向きによるセッティングの違いです。マイクを上向きにしたセッティングです。通常はこのパータンが多いでしょうか

次に、マイクを上下逆にしたセッティングです。私はボーカルを録音するときには必ずこの向きにセッティングしています。

グランドピアノの弦やマリンバなど、マイクを水平にして音源を狙いたいときには、写真のような横向きにセッティングすることもあります。

ステレオバーを使って天井にから吊ることもあります。

U67純正の「Z 48」サスペンション

U87Aiの純正サスペンション「EA87」が、マイクの底でネジ止めして固定するのに対し、U67用の純正サスペンション「Z 48」は、マイクのボディに巻きつけるように装着します。

マイクが同じサイズなので、U87シリーズにも使用できます。以前はU87AiとZ 48のセット商品も販売されていました。

Z 48

機能的だしかっこいいですよね。

おまけ、Aston SwiftはNeumann U87Aiにも使える

Aston MicrophonesのSpirit、Originなど用のショックマウント「Aston Swift」は、実はU87Aiを固定するのにも使用可能です。

Aston Swiftの方が、Neumann純正ショックマウントよりも安価なので、代用を考えてもよろしいかと思います。


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