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#36【ミランの左サイドを突け!】【23/24 セリエA第13節】ミラン×フィオレンティーナ


試合開始前

•ミランは4-2-3-1。ジルーとレオンが欠場。ムサがトップ下気味でポベガとラインデルスの2センター。

•フィオレンティーナ4-2-3-1。左はソッティル。フォワードはベルトラン。他はお馴染みのメンバー。パリジは相変わらず右サイドバック。悪くないが本職の選手が欲しい。カヨデの復帰が近いらしい。

ミランのビルドアップの苦戦と光明

①ラインデルスとポベガの役割分担が曖昧。
•ミランはラインデルスが最終ラインに落ちて2CBと3枚になる形と、ポベガがテオの位置に降りて2CBと3枚になる形を用意。
•この2つを使い分けたいが同時に起きるシーンがあり最終ラインが4枚になることも。
•そもそもラインデルスはボールの出し手ではなく受け手側的力を発揮するタイプ。
•ただ、ポベガ1人でビルドアップは心許ない。ポベガもどっちかというと受け手。
•この2人が横関係ではなく縦関係になれればチャンスになる。
•出し手としてはポベガよりもラインデルスのほうがセンスありそう。

②ビルドアップの出口がない
•ラインデルスとポベガは後ろ気味なので前線の枚数がそもそも少ない
•ムサも下がりながら受けるタイプではない
•ヨビッチも裏に飛び出すわけでもなくポストプレーが得意なわけでもなく、なんとも言えない。

•試合の中で段々と整理されて、最終ラインは2CB+ポベガの3枚になりアンカーにラインデルスが入り前進する形が増える。

•自由を得て躍動するテオとカラブリア。特にテオはサイドバックの枠に収まらない攻撃性能を最大限に発揮。前半終了間際にはPK獲得してみずから決める。

•メニャンもかなり効いている。キーパーまで下げさせられても苦にならない。

フィオレンティーナの守備のまずさ

•自分のマークを意識してマンツーマン気味にいく選手(ダンカンはラインデルス。ビラーギはチュクウゼなど)と、ゾーンで守る選手が混在。
•そうするとマークの受け渡しが起きず、同じゾーンに余分に選手がいる場面が起こる。
•どこかに余分が起きるとどこかが足りなくなるため、そこを突かれると一気にピンチに。

•特に前半41分の守備は最悪。
①カラブリアに対してソッティルはプレスに行くが、後ろのムサに対して誰もカバーをしてない。(本来いるべきビラーギはチュクウゼにマンツーマンのため真ん中に。)
②誰もカバーしてないことに気付かずにただボールを追いかけるソッティル。
③ムサがフリーなことに気付いてプレスに行こうとするクアルタと、チュクウゼに付いて真ん中まで誘き出されるビラーギ。2人の空けた広大な裏のスペースをチュクウゼに突かれる。

•ビラーギの裏がら空きや!と気付いたのか、直後にラインデルスが右サイドバックの位置に降りてカラブリアを高い位置に上げる。ビラーギはチュクウゼに付く、右に流れたムサにはソッティルが付く。じゃあカラブリアは?となるが当然ドフリー。

•ダンカンがフォローすればいいじゃん?と思うが、憎いのはラインデルスのポジション。ダンカンはラインデルスにベタ付きなのでチュクウゼまで手が回らない。ミランは右サイドに人数をかけて崩す形が出来てる。

•ベルトランやボナベン、ソッティルが前からハメに行った時に後ろが連動しないと、そのギャップを上手く使われてしまう。後半どう修正してくるか。

ミランの左サイドを突け!

•ミランのストロングポイントは間違いなくテオとプリシッチ(いつもはレオン)が絡む左サイド
•この試合でもテオの左サイドバックの概念に囚われない動きで攻め掛かり、実際に得点にも 繋がっている。
•最大の長所を活かすためのカバー役はポベガ。そして2CBの対人能力で補填。
•ミランとしてはテオを含め人数をかけながらも攻め切れず、カウンターを受ける形が一番キツイ。
•後半からアルトゥールに代わってマクシムロペス投入。中央を起点にボールを散らすアルトゥールに対して、マクシムロペスは右側にポジションを取ってチャンスメイクをすることでミランの弱点を集中狙い。
•後半何度もカウンターからミランの左サイドを狙ってチャンスを作れたが決め切れず。
•ピオリ監督も即座に対応。プリシッチに代えてロフタスチーク。左サイドにムサをスライド。

輝けないソッティル

•少ない人数で必死に左サイドを守るミランに対して、崩し切れず迂回してソッティルにボールが回る場面が増える。
•対応するのはカラブリア。対人強め。一対一で質的優位を作れない。
•攻めてはいるが、ソッティルのところでブレーキになってしまう歯がゆい展開。
•ニコが2人欲しい。
•何ならエンゾラとベルトランに拘らずニコとかクアメとかのワントップも見てみたい。

試合後の感想(フィオレンティーナ)

•フィオレンティーナはビルドアップからファイナルサードまでの繋ぎは上手く整理されている
•その後崩し切れるかは相手のレベルによる
•中堅以下相手なら順調に勝てそうだが上位陣には厳しい印象
•これからもう一皮剥けるにはイタリアーノ監督の腕の見せ所

試合後の感想(ミラン)

•ミランはテオやプリシッチはじめ選手の質はやはり高い
•最大の強みであり泣き所でもある左サイドは今後も狙われるだろうが、それを上回る攻撃力を発揮してねじ伏せて行ってほしい
•カマルダのセリエA最年少出場記録更新の良いニュースとともに今後の上昇に期待!


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