見出し画像

「Metal Zone」という傑作エフェクターを紹介します

 BOSSの「Metal Zone(メタル・ゾーン)」という
エフェクターがあります。

 BOSSのコンパクトエフェクターとしては累計で100万台以上を
販売、30年以上基本的な仕様変更なしで販売され続けている
超ロングセラーモデルです。

 しかし、昔から一部では「音痩せしてペラペラな音しか出ない」
「どう調整しても同じ音しか出ない」という評価もあります。

 結果、不良品(海外ではWorst pedal ever!なんて言われたり)
という評価をされることもあります。

 ここでは「Metal Zoneは本当にダメなエフェクターなのか?」を
検証してみます。

目次


Metal Zoneとはどんなエフェクター?


 BOSSエフェクターは世界中で販売されているブランドです。
プロギタリストの多くも一度は手にしている、認知度も性能も
折り紙付きのエフェクターです。

 日本の住宅事情を考えると、なかなか大型アンプを自宅で
鳴らせる人は少ない。

 また価格も高いため、自宅で小さいアンプで音を出す際に
エフェクターを使う人が多いです。

 Metal Zoneはその名の通り、Heavy Metal(ヘヴィメタル)という
音楽ジャンル向けに特化して開発されたエフェクターです。

 一聴して分かる「過激な音」がします。

Metal Zoneの「間違った使い方」とは?


 そんなBOSSエフェクターの中でもベストセラーモデルですが、
使い方を間違えるとノイズしか出なくなります。

 ノイズというのは和訳すると「雑音・騒音」。
そう、音楽からかけ離れているという意見が発売当初から
散見されました。

 ハッキリ言いますが、使い方を間違うから騒音にしか
ならないのです。

 よくある間違い2つを挙げます。

1.とにかく歪みをMAXまで上げる
2.「ドンシャリ」にしてしまう(後述)

 即ち、セッティングを間違えています。

 その対処法の前に、大前提について触れます。

エフェクター云々の前に。

 

 以下2つについてはエフェクターを繋ぐ前準備ともいえます。
1.チューニングしましょう
2.ギターピックアップはリアハム一択
3.アンプはクリーンセッティングに

 チューニングを軽く見ている=素人

 これは、プロアマ問わずある程度ギターを弾いている人なら
同意する事実です。

 一人で弾くにしても他人が聞いたら違和感ありますし、まして
バンドで合わせたらあまり音楽を聴かない人でも「なんか変」と
感じます。
 
 速弾きに特化して練習重ねて、指が早く動くようになった。

 としても、チューニング適当だったら「音痴が早口で歌ってる」だけ。
ただ速く弾くだけの人という評価しかされないのは、勿体ないです。

Heavy Metalなら、ギターはリアハムが基本

 ピックアップ(PU)とは、ギターの弦振動を拾うマイクと考えてください。
 
 エレキギター(アンプに繋ぐタイプのアコースティックギター含む)は
このPUで拾った音をアンプを通して出力します。

 Heavy Metalという音楽ジャンルのギターは楽曲の殆どが「分厚い」と
表現される大音量で音圧のある音で構成されます。

 この音を出す際、「ハムバッカー(またはハムバッキング)」と呼ばれる
PUを選択する場合がほとんどです。

 「リアハムを使え」というのは、ギターのPUポジションがリアで
ハムバッカータイプのPUを選択せよ、ということです。

リアPUはブリッジの上

 ストラトキャスターやテレキャスターのようなギターはリアPUが
シングル(ハムの半分程度の幅のPU)であることが多いため、
Heavy Metalではあまり選択されません。

 ごく一部(超有名ギタリスト含む)はストラトでHeavy Metalを
やっている人も居ますが、初心者はよほどのこだわりがない限りは
深く考えずに「Heavy Metalはリアハム一択」にしてください。

 もちろん、ストラトシェイプでもリアPUがハムバッカーに
なっていればOKです。


アンプはクリーンセッティングに

 これは特に難しくないと思います。
 歪ませず、極端なイコライジングをせずツマミをフラットに
しましょう、ということです。


Metal Zoneの正しいセッティングとは?


 手順を説明します。

1.ツマミ全てを「12時」に合わせる。

(目盛りが全て真上を向いた状態を「12時」と表現します)


2.続いてHIGH:11時 MID:12.5時 MID FREQ:15時 Low:14時 
Gain:11時にしてみてください

(便宜的に12.5時とかの表現なので正確性はご勘弁を)

 先ほど述べた「ドンシャリ」ですが、これはツマミのHIGHとLOWを
最大まで上げきり、MIDをゼロにするセッティングです。

 Heavy Metalギタリストのセッティングとして、ドンシャリは
昔からありました。

 これをそのままエフェクターに適用してもうまくいかない。
ただそれだけのことです。

 受け売りでHeavy Metalといえばドンシャリ!と某ギター雑誌で見て
このセッティングにしたら「音痩せる」「ノイズだー!」と騒ぐ人が
思いのほか多かった。

 このエフェクター、「MID」がキモです。

 正確に言えば「MIDとMid FREQがキモ」です。

 FREQとはFrequencyの略で、「周波数」と訳されます。
端的に言えば、MIDをHIGH寄りに調整するか、LOW寄りにするかと
いうさじ加減が大事です。

 今回はどちらかというと音の「コモリ」を解決するため
FREQをHIGH寄りにしています。

 上記数値はギターPUの出力や使用するアンプによっても大きく
左右されるので、適宜調整してください。

さいごに


 もう一度書きますが、Metal Zoneは世界中の多くの
メタルギタリストが手に取るエフェクターです。

 実際、このエフェクターを使用して歴史に残る名作アルバムを
制作したバンドもいます。 
 (多分に個人の趣向が入っていますが)

 決してダメなエフェクターではありません。

 このエフェクターに限らず、特定の機材を否定する人はまず自分の
腕と耳を疑ったら?と感じることが少なからずあります。

 因みに、上記の調整方法は他のエフェクターやアンプを試す際も
「基準の一つ」として覚えておくといいと思います。

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?