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零細起業の経営実務(42)「つくば産業フェア」出展

起業を志す研究者のみなさんへ、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回は、初めて「つくば産業フェア」への出展に挑戦したことについてご報告します。

毎年秋につくばカピオで開催される「つくば産業フェア」は、「健康フェア」「農産物フェア」が同時開催されることもあり、つくば内外の人で大変にぎわう展示会です。

どうしたら出展できるのかなあ、と思っていたところ、商工会に加入したことで出展の資格ができたようで、夏に出展の案内が送られてきました。そこで、「うちでも出せるんだろうか?」とドキドキしながら申し込んでみました。

一般の方向けの展示会ですから、研究向けの製品・サービスは封印し、内容は「美食同玄米」を中心に、子供向け実験キットや主婦向け実験補助セミナーが良かろうと考えて企画書を作成したところ、無事に採用していただけました。

開催の1ヶ月前に出展者向けの説明会がありました。参加料は電気を使わない屋内展示の場合は1万円で、現金で前払いします。かかるお金はそれだけで、かなり太っ腹なイベントです。

説明会を聞いて、美食同玄米の試食を出すには保健所に届出が要り、そのためには検便の結果が要る、とわかり、かなり焦ったのですが、保健所に2回ダッシュしてなんとか間に合い、無事に試食を出せることになりました。

初めての出展に備えての準備は、JAXAに出店したときにつくった「美食同玄米」の垂れ幕、POP、商品、エプロン、クーラーボックス、手洗い器、文房具、おつりの小銭・・・など多種多様。忘れ物がなく、かつ無駄な荷物を増やさないように、当日担当と準備担当で入念に打ち合わせました。

出展は宣伝が目的ではありますが、折角ならできればたくさん売りたい。そのためにはどうしたらよいでしょうか。

お祭りムードの展示会では、来場者は「無料」かあるいは「お得」なものをゲットできると期待するのが常。とすると、お得感のある目玉商品が欲しいところです。

そこで、美食同玄米の「わけあり(目視での異物除去をする前の美食同玄米)」を売ろう!と思いつきました。定番品をテーブルに並べた上で、その前のイスにカゴを置き、「フェア限定」のPOPと共に置いてみました。

定番品を見てから「わけあり」を見るとお得感がよくわかってもらえるので、2日で70個以上を売る大あたりとなりました。あまり期待していなかった定番品や、10周年記念の玄米よもぎ蒸しカイロも若干売れたのはうれしい誤算でした。

安売りについては異論もあるかと思いますが、イベント販売員の立場からすると、たくさん売れる=たくさん接客できると楽しく、疲れ方が全然違います!イベントは儲けよりも楽しく終われることが大事、と思っています(ちゃんと利益出ましたけど)。

とはいえ大成功というわけではなく、子供向け実験キットと実験補助セミナーの方は反応薄く、かなり残念な結果でした。そもそもジャンルが全く違うものをどう展示するべきなのか、お米を買ってくれたあとにうまく誘導する方法はなかったのか、来年(も出るつもり?)の課題が残りました。

楽しく終わるにはスムーズな撤収も重要。終了の1時間ほど前から目立たないようにじわじわ片付けていき、最後の15分でスパートして撤収完了。終了時刻ちょうどには帰路に就けました。

(2018年12月5日配信の「すいすい通信」より)

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