見出し画像

零細起業の経営実務(31)クラウドファンディング三度(みたび)

起業を志す研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えするシリーズ。今回はクラウドファンディングのその後の話です。

この話が初めての方のために少しだけおさらいしますと、茨城県が助成する投資型クラウドファンディング事業として、リーゾの美食同玄米が採択され、1月に投資家募集サイトがオープン。目標の210万円を、わずか9日間で達成しました。

通常、募集には半年ほどかかることと、お米の収穫時期にスタートする方がわかりやすいため、実際の運用開始は平成29年9月。

そう、ついに今月から運用開始なんです!

ここまでに、投資家さんに「投資家特典」をお送りする、という作業がありました。

ほとんどの方は、収穫後にお送りする「美食同玄米500g×3袋セット」を選択されていたのですが、
「パックごはん6個セット」
「パックごはん3個とと玄米500gのセット」
「ミニアクアリウム手作りセット」
「ペットボトルで美食同玄米栽培セット」
を選んだ方もいらっしゃったんです。

名簿を整理して、特典をつくり、メールで到着日時のご希望をお聞きして、梱包して発送する。マンパワーの乏しいリーゾにはそれなりに大変な作業です。

でも投資家さんと直接やり取りできる貴重なチャンスですし、お返事に添えて応援のメッセージなどいただくのはうれしいものです。

クラウドファンディングと言えばお金。
無粋ですが、お金の話をしましょう。

投資家さんから集められたお金は、募集終了後に、運営元のミュージックセキュリティーズから、リーゾの口座に振り込まれます。その口座は募集の「前」に、クラウドファンディング事業専用に開設したものでなくてはならない、という決まりがあるそうです。

リーゾの場合、常陽銀行に2つ目の口座を開設できたのですが、口座名を「会社名+ファンド口(ぐち)」としなくてはならないことが直前にわかり、変更手続でちょっと慌てました。

ファンド運用にあたっては、クラウドファンディング事業で使うお金だけをその口座から引いていくことになります。年度毎に監査が入るので帳簿も別に作らないといけないし、領収書なども別に管理しておく必要があります。

監査はもちろんタダじゃないです。1年目は15万円、2年目は10万円。そしてそれは、集まったお金からは出せず、自腹です。

自腹と言えば、特典とその発送経費も自腹というのがルールです。

「投資型」なので、事業終了後に投資家さんにお金を返すことになります。2年間の、派遣を除くリーゾの全売上のうち、契約で定めた割合を投資家さんに償還します。前年と同程度の実績であれば、数パーセントの利回りがつく計画です。

投資家さんとしては、リーゾの業績が良いほど、たくさんお金が戻ってくるので、それが応援する動機になり、SNSなどで発信してくれます。宣伝効果が期待できると言われるのはこのためです。

資金調達コストが高いことは承知の上で、宣伝費と割り切るつもりではありましたが、思ったよりお金はかかるなーと実感してます。
200万円を調達するのに、数十万円かかる計算ですから、銀行に借りる方がずっと安いです。身もふたもないですが。

宣伝効果は、お米が収穫されて、本格的に事業開始するこれからに期待したいです。

世間では、クラウドファンディングが花盛りのようで、相談されることも増えました。そういうときは上記のような話をしています。
事業を進めていく過程で、あらたに感じたことやわかったことを、続報したいと思います。

(2017年10月4日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?