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零細起業の経営実務(47)助成金はやっぱり難しい!

起業を志す研究者さんに、リーゾの経験をお伝えしているコーナー、今回は、経営者なら一度は魅力を感じる助成金の話です。

「助成金サポート」(詐欺)の誘いはうまくかわすことができたリーゾですが(※)、150万はともかく、実際のところもらえる助成金はあるのかどうか、ちゃんとした社会保険労務士さんに診断してもらいました。
(※ https://note.com/rizomonna/n/n436139fee2c9)

その結果、「もしかしたらいけるのでは?」というものが2つあることがわかりました。

ひとつめは、「キャリアアップ助成金」の「正社員化コース」。
有期→無期、有期→正規、無期→正規、のいずれかに該当する社員が出た場合にもらえる助成金で、該当者ひとりあたり28万〜72万円が出るようです。

リーゾ社員は1年契約のパートタイムですが、5年以上の方は期間の定めをなくしました。勤務時間は16時までなので「短時間正社員」と言えます。これなら該当しそうです。

二つ目は、「健康診断制度コース」。雇用保険被保険者である有期契約労働者を対象とする「法定外の健康診断制度」をつくり、4人以上が受診するともらえるという助成金です。こちらは一事業所あたり38万円〜48万円が出ます。

派遣先で働いてくれている社員(有期契約)にも健康診断を受けてもらっているので、規定を作れば該当するようになるのでは?ということになりました。

社会保険労務士さんに申請をお願いして、助成金が出たらその何割かを手数料に取ってもらえばよいとすれば、損はない話です。
(詐欺のときも同じ論理で混乱しそうですが、こちらは正当に受給できる場合の話です)

受給できたらお得だし、短時間正社員になれること、全員が健康診断を受けられることを仕組み化しておけば、働きたいと思ってもらえる会社に近づくことにもなります。
ぜひお願いします!と張り切ってみたのですが・・・。

社会保険労務士さんが労働局に問い合わせてくださったところ、
まず「正社員化コース」については、フルタイムの正社員がいないリーゾでは、「短時間正社員」とは認められない(従って該当しない)とのこと。

うーん。
起業したてで恐る恐る人を雇い始めたところから、成長して無期雇用にできたことをほめてくれる制度ってないのでしょうかね(フルタイムにしないのは本人の希望だし!)。雇用が安定したことには違いがないのだし、フルタイムがいないからダメ、というのは働き方の多様性に逆行している気がします。

そして「健康診断制度コース」については、これは内心予想していたことですが、派遣先で働く社員はカウント外、だそうです。
派遣スタッフも大切な社員のつもりであるリーゾとしては少々心外ではありますが、大きな派遣会社だと事業所ごとに受給できることになり、制度上認められないのもわかります。

というわけで、リーゾは助成金がもらえそうもないことがはっきりしたわけですが(サポートはやっぱり詐欺ですね)、むしろすがすがしい気分です!

起業当初に出会った「社長業の師匠」(故人)に言われた言葉、
『補助金(助成金)なんかもらわずに、きちんと稼ぎなさい!』
が蘇ります。

あぶく銭が入る可能性に心がざわついた自分が、ちょっと恥ずかしい・・・。天国から叱られそうです。
はい、気持ちを切りかえて、顧客満足に注力します。そうすればお金は必ずあとから(ゆっくり)ついてくるはず!

蛇足ですが、「補助金」と「助成金」の違いはわかりますか?
(私は知りませんでした)
「補助金」はお金の出所が経済産業省(中小企業庁を含む)、
「助成金」は厚生労働省、という違いなのだそうです。

(2019年8月7日配信の「すいすい通信」より)

すいすい通信
https://rizo.co.jp/merumaga.html

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