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零細起業の経営実務(15)法人税を払う

研究者の零細起業体験をお話ししているシリーズ、今回は、「税金」の話です。
個人が支払う税金はおなじみの所得税ですが、企業が支払う税金は法人税。名前はもちろん違いますが、この2つはしくみがぜんぜん違っています。

ざっくり言うと、
 所得税は所得=稼いだお金そのもの、にかかり、
 法人税は、入ったお金−使ったお金=残ったお金、にかかります。
つまり、法人税は、どんなにたくさん稼いでいても、全部使ってしまえば税金はかかりません。

個人に例えれば、同じように1000万円稼いでも、質素な暮らしをして貯金する人には税金がかかり、贅沢して全部使っちゃった人には税金がかからない、ということ。一見、理にかなっていないように思えますよね。

でも、賢い人が作り出した法人税法ですから、稼いだ分を全部使い切る方がお得になるのには理由があるはずです。

企業が使ったお金がどこに行くのかを考えてみると、行き先の大半はおそらく経営者と従業員の給料でしょう。ということは漏れなく源泉徴収で所得税がかかるので、そこで税金が増えます。

残りのほとんどは、オフィスの賃料や水道光熱費、原材料その他もろもろのモノやサービスの購入など、他の企業に支払われ、やはり給料になって所得税の元になります。その結果、相手先が黒字になれば法人税がかかります。また、モノやサービスの売り買いが増えれば消費税も比例して増えていきます。

つまり、会社の場合には、「どんどん使って、経済潤して(税金増やして)ちょうだいね。使わずに貯め込むなら法人税もらいますよ」ってことのようです。ということは、毎年赤字の会社でも、社会のお荷物どころか、ちゃんと貢献していることになり、ちょっと安心です。

さて、リーゾの話になりますが、実は創業以来徐々に減らしていた累積赤字が昨年度ついに解消し、法人事業税がかかることが決定しました。

税金を払える会社になることは、目標のひとつでもありましたので、とりあえずちょっと誇らしい気分です。
自力申告のリーゾとしては、未知の作業が多々出てくるでしょうし、わくわくする部分もあります。

でも、上記の通り、法人事業税は「稼いだお金を社会に還元しなかった罰金」とも言えるものなので、誇りに感じるのは見当外れかも。今年度からは稼いだ分はしっかり使って微力ながら経済を潤し、社会に貢献していきたいです。

・・・などとおめでたく夢想しているところですが、昨期でようやく収支トントンに戻っただけなのが現実。そんなことを考えている暇があれば、目の前の仕事をがんばったほうがよさそうです。

(2016年4月6日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

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