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零細起業の経営実務(1)複式簿記ってすごい!

リーゾのような超零細規模の起業でも、「経理」「会計」は避けて通れません。

もちろん、税理士事務所に記帳から決算までお任せしてしまうこともできますが、せっかく身の丈で低投入な起業をするなら、できるところまでは自分でやりたいもの(税理士を雇えるほど儲かっていない、というのが実情ですが)。

いずれはプロに任せる日が来るとしても、社長が経理に詳しければ、税理士さんの仕事が楽になり、委託費も安くなるはず。
何より、自分の会社の血液ともいえるお金の流れを経営者が知っていることには、大きな意義があるはずです。
  
さて、経営に関しては全くの素人による貧乏起業だったリーゾは、「企業の経理」にどのように取り組んできたのでしょうか。

振り返ってみると、起業したての頃は、文房具屋で購入した現金出納帳(!)しか持っていませんでした。
現金でモノを買うだけなら確かにこれで十分なのですが、零細といえども会社のお金の流れは意外と複雑で、すぐに行き詰まりました。

例えば、「後払いで購入」した場合、モノは手に入ったけど支払いは来月。
もしくは、モノは売れたけれど入金は来月、それも銀行口座に振り込まれる。
こんなことを、どう記録すればいいのでしょうか?

これを簡単に解決してしまうのが、「複式簿記」!
この存在を知ったときには、控えめに言っても、かなりの衝撃でした。

「複式簿記」の反対は「単式簿記」・・・と、わざわざ呼ぶことはありませんが、たとえば小遣い帳や家計簿、あるいは時代劇で出てくる大福帳のように、ひとつのお財布について、お金の出入りを記録する帳簿があたります。

それに対して、複式簿記は、お財布(帳簿)を複数想定して、その間でのお金のやり取りを記録していけるものです。

先の問題は、
モノが売れた=「売上高」が増える
まだ入金してないけど入る予定=「売掛金」が増える、
モノを買った=「消耗品」が増える
まだ払っていないけどいずれ払う義務がある=「買掛金」が増える、
と、それぞれの財布(帳簿)上で、モノやお金が動いて行くと表現できます。

売上げが振り込まれたら、「売掛金」が「銀行預金」に変わります。
支払いを行ったら、「現金」が減って「買掛金」も減る、と記録します。

これはほんの一例で、とにかく自分の会社を通るお金が、いつ、どのように動いて何に変わったのかの精密な記録を、全てまとめて保存することができるのです。

複式簿記を発明したのはルネッサン期のベネチア商人(シェイクスピアの「ベニスの商人」を思い出しますね)。後世になって「人類最高の発明」だと称されています。そのくらいすごいものなんです。

ところで、複式簿記はこのように非常に優れた発明ですが、手作業でたくさんの帳簿を突き合わせながら手書きするのは、想像しただけでもとても大変。
そこで、知り合いの税理士さんお勧めの会計ソフト(「弥生会計」)を購入しました。

会計知識は、図書館で関連本を一抱え借りてきて流し読みした程度で、「貸方」「借方」はいまだによくわからず、どっちに入力したらいいかは勘に頼ることも多い状態です。
この程度のの会計知識とこのソフトとで、日々の入力から給与明細から決算書まで、大概のことは出来ています。
  
零細起業を志す(かもしれない)方向けに、お金をかけずにできる経営実務を少しずつご紹介したいと思います。お役に立てばうれしいです。

(2015年1月7日発行のすいすい通信より)

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