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In Stars And Timeのクリア後プレイメモと感想(ネタバレ満載)

クリアしたので書き残しておきます。
いつものとおりネタバレ満載の感想になります。
ただのプレイメモと感想です。















プレイ時間は21時間。ちょうどいいな!
ちなみに1周目終わった後に、条件を満たすと………というのを見て、「まるで独り言」の実績を取ったので、そこまでのネタバレがある前提で書く。

基本的にはすごく良かった!が、色々腑に落ちない点もあった、という感じ。
諸々含めかなりの好評価であることを前提に、以下に色々書いていく。


●良かったところ
・グラフィックが全部良い
→世界観にマッチしていて良い。キャラの顔差分も全部良い。

・音楽が良い
→メインテーマの様々なアレンジを含め、耳ざわりが良かった。
 地味に変わった拍子の曲も結構あった気がする。
 タイムループで音楽のテンポ落ちる演出も良い。

・メニュー画面が良い
→メニュー開いた瞬間、「あっこれはきっと良ゲーだな」って思った。

・1つ1つの会話が良い
→世界観が分かり、キャラの思想が見え、面白い会話ばかりだった。
 ループするたびにしっかりシフランのコメントが変わるのも良い。

・翻訳がとても良い
→言われないと日本語で作ったゲームじゃないと気づかない程度に翻訳が際立って良かったように感じる。
 言われて「??」ってなったシーンが無かったし、キャラごとの言葉の特徴も完璧だった。
 ボニーとか難しいと思うんだけどな…
 「カニったれ!」も好きだけど、「カニもどき!」も好き。

・メインキャラが全キャラ良い
→全員キャラが立っていた。文句なし。
 もっと言うとサブキャラも全員良かった。

・話の筋が分かりやすい
→主題が分かりやすいし、何すればいいのかも分かりやすいし、ループに聞けるシステムも良い。

・随所の演出が良い
→Act5からの演出は全部好きだし、Act4終了時の侍祭長に願いのクラフトの話をした時の絶望感が凄い良かった。戦闘1つ取っても、おやつ1つ取っても、全体的に演出が見事。

・タイムループするシフランの気持ちがシステムとして追体験できる
→ループが色々面倒なのとか、雑魚が避けにくいのとか、敢えてストレスを残してシフランの気持ちになれるのが上手い。
 Act5のメタっぽい「こいつのスキル無いと…」みたいなのも良い会話スパイスだった。

・戦闘が邪魔じゃない(ちょうどいい)
→別に面白いわけではないが、退屈にならない程度に戦闘できるシステムで、メインのシナリオを読ませる邪魔になっていなかった。
 レベルも、避けられなかった雑魚を適当に狩っていれば道中の分で充分な感じ。

・「色」に関する演出
→白黒に赤が心理演出としてめっちゃ効果的で、話にも噛み合っててすごいと思った。
 Act5で王に負けた後のOMORIみたいな戦闘も好き。


●腑に落ちなかったところ

・前取得アイテムを取る時に消えるなど、「宇宙の修正力」に関すること
→タイムパラドックスを起こさない+ゲームシステム上の諸々の調整のためなんだろうが、無理やりすぎないか?
 そもそも「宇宙の意志」はあるのか?願いのクラフト諸々に付随する力?
 まぁ消えた国の話も解決はしていないし、結局何か「大いなる力」がまだ背後に隠されている…ってこと?

・なぜ、王は最後に全てを思い出したのか?
→これ何か説明あった?私が見逃しているだけか?
 あまりにも都合が良すぎないか?これ王の最後の時間停止を解く術があれば消えた国の記憶の問題も全部解決しないか?

・なんでいきなり最後に王の力を反射できるようになった?
→これも何か説明あったか?ループがクラフト方法知ってたとか?
 隠し図書館のシールドのクラフトのときに、「反射の方法もあるみたいだけど難しい」みたいなこと言ってたのは覚えているんだが、
 これを何もなしにいきなり急ぎの道中で身につけられる方法があるか?

・発狂するにしてはループが短すぎないか?
→自分は初見プレイでAct5に入ったのが69ループ目だったはずなので、多めに見てもまだシフランは4か月くらいしかループしていないことになる。
いや短くないか?確かに意図的に死んだりして精神がめちゃくちゃ疲弊するのは分かるんだけど、あと10倍くらいは頑張らないか?
これに関しては、色んなSF等の作品を通して自分の時間感覚がおかしくなっている説もある。まぁ常人だと無理かも…

・シフランの視点だとループの原因めっちゃはっきりしてないか?
→かなり難しいところなんだけど、考えていくとどうやってもシフはすぐに「自分に原因があるな」って分かると思うんだよな…
 で、「自分が原因だって認めなくない!!」って気持ちは分かるんだけど、「もう何をやっても無駄だ!」ってなる前に試せることはもっともっとあると思うんだよな…
最後の戦闘でも分かるように、「自分が原因であれば、きっと嫌われる!自分の願いは叶わなくなる!」っていうのも分かるんだけど、まずは全員の気持ちを確認するとか、ダメだったらそれをループで改善していくとか、そういうアプローチが…
いや、まぁそういうのが出来ないキャラだからこその美しい物語だとも思うのだが。


●各キャラについて

★シフラン

・自キャラだからあんまり言うことがない。システム面も含めて感情が入るキャラ。
・チュートリアル敵を惨殺するシーンだいすき。
・サトイモのフリットが出て来た時の顔だいすき。
・役割としてシーフなのに、結構抜けているところが人間味があって良い。
・バナナで滑って岩で頭をかち割るより、ナイフで自殺する方が簡単じゃないか??

★ミラベル

・すごい良い子。
・シフランがベンチに座るとニコニコするの好き。街でもエピローグでもニコニコするので、気づかなかった人はやってみて欲しい。
・ウツロイの教義に疑問を抱くのもまたウツロイだとするなら、かなり優秀な信徒である気がする。侍祭長の見る目あり。
・王を倒すときの2パターンの絵どっちも好き。必死さと責任感を両立している感じがある。
・恋愛の感情わからないの逆にすごい。その立ち位置で一切恋愛分からないの逆に難しくない??
・エピローグの会話でシフランとググっと距離が詰まる感じだいすき。
・シフランとミラベルが手をとりあって恋愛について理解を深めていってほしい。でもイザボーいるんだよな…

★イザボー

・変化…って言ってるけど、普通の人はガリ勉の力を持つ陽キャマッチョにはなれないし、性格も相まって万能人間感ある。
・男性ではあるがかなりノンバイナリー感ある。やっぱりこの世界では性別ってかなりふわふわしたものなのだろうか。
・最後の戦闘で、攻撃するとイザボーが全部受け止めている感あるのかっこいい。ちゃんと被弾エフェクトもある。
・エピローグで、淀みなくシフランの良いところが出てくるのだいすき。
・間違いなくシフランを幸せにできると思うので、二人で幸せになって欲しい。距離詰めるまでにめっちゃ時間かかりそうだが…

★オディール
「この手のゲーム好きな人で、このキャラ嫌いな人いないでしょランキング1位」だと思っている人。この作品で一番好きな人。
・過去を考えてシフランに寄り添える人でもあり、大人の立場から全員の面倒も見れるし、なんだかんだパーティの精神的な軸だと思う。
・「知識として知ってはいるが、現地の人に改めて説明してもらうことで得られるものがある」的なくだりで、この人が本当にいい人というか、良く出来た人であることがひしひしと感じられた。オディールの出てくるシーンは大体好きなので割愛する。
・最後のシフランの行動について、おそらく色々考えた上で、「最高に愛しい」と評価して頭をなでるの、あまりにも美しい。
・ストーカーの話をもっと聞かせてくれ!!

★ボニー
・何歳くらいの設定なんだろう?9歳くらいだろうか?
・しっかり自分なりの価値観が確立されており、随所の会話でも存分にそれが分かるため、内面がよく分かって良かった。
・序盤の方の距離感の遠さと、終盤の距離感の近さがあるからこそ輝いていたように思える。ハグの先生…
・立ち絵差分が全キャラの中で一番好きかもしれない。おやつシーン関連でころころ立ち絵が変わるのだいすき。
・今回、一番涙腺に来たのはボニーのエピローグ会話の↓だった。

最年少のボニーに言わせるのを含め、金言だと思う


★ループ
・自分の理解力が低いのか、真エンドまで見ても、なぜ「シフランのコピー(というかシフランがループのコピー)」なのか分からなかった…銀貨を持っているということは同一人物で、前のシフランが時間のループを諦めたからループという存在になって(ややこしい)、願いのクラフトの強制力は続いているから代役として新シフラン(今回の操作キャラ)ができた、ってこと?この辺はご想像にお任せしますなのか?
・ループは誕生の背景があるように見えて、シフランが願いのクラフトを遂行する上での仮想存在、ただのナビ役だったという線もアリか。
・序盤のループからの「僕は誰だと思う?」って質問に、ほぼノータイムで「自分(シフラン)?」って答えたの褒めてほしい。
・いちいちやること分からなくなったらヒントくれるのも進行的に良いし、プレイヤーとしてもシフランと同じく息抜きの空間になっているという構造が良い。最後の戦闘も好き。


●その他

・侍祭長怖すぎる。最初に会ったときは、この人がラスボスか、ラスボスに操られる人だと思った。上でも書いたけど、Act4最後のシーンの絶望感、このゲームの中で指折りに好きだった。

・Act5のみんなに嫌われるシーン、もう二度とやりたくないと思ったのに真エンド回収でもう一回通らないといけなくて心が折れかけた。

・戦闘時の王の大きさとか、王との会話時の赤演出、最終戦の構図とかがセンスありすぎる。

・「色」の話が出て来た時に、『あっこれラスボス戦とかラスボス後に、白黒のゲームが色を取り戻してカラーのゲームになる演出あるんじゃないか?』って思ったけど無かった。絶対あると思ったのに…でも赤を効果的に使う手段として超良かったと思う。

・このゲーム、「LGBTQ+」のタグが付いてるんだけど、シフランとボニーがノンバイナリーなのはすごい良かった。というのも、男性的な面と女性的な面で2倍楽しめるので。性別ふわふわのほうがお得すぎる。だからと言って全員性別不定だとそれはそれでスパイスが無いような気がするので、バランスがちょうどよかった。


●まとめ

腑に落ちないことは色々と言ったものの、とにかく「シナリオと会話と演出で魅せる」という気概をこれでもかと受け取ったので、全体評価としてはすごく良かった。でもまぁ、仮にマイナス1点の要素であれ、腑に落ちなかったのは事実なのでメモっといた次第。
個人的にはUNDERTALE、OMORI、OneShotには惜しくも並べないけど、その少し下につくくらいの相当高い評価だった。
エピローグとループ周りからして続編の可能性も十分あると思うので、期待して待つことにします!

※追記※「腑に落ちないこと」について、分かる人コメントで解説していただけるととっても嬉しい…


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