固体から液体

曖昧に微笑みあいてとどめのみ刺さずに進む温いぬかるみ

契約も約束もない関係に自惚れた日々が今では煙い

都合よく溶け残ったり蒸発したりお互いほどよい加減の嘘つき

蝋燭の芯はいつしか冷えておりそれでも続く燃焼もあり

我を見ぬ横顔こそがうつくしく目だけでなぞる鼻梁のなめらか

固体から液体になる瞬間をほかの誰にも見せるな君よ

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