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silent 9話感想文(DC版含む)

silent放送1周年記念?木曜更新の各話感想文9話です。

結局放送されたのが完成版では?という気もしますが、私はsilent制作陣を全面的に信頼しているので、課金して(しかもお安くない)円盤を買ったファンに届けようとしてくれたDC版を信じる。
放送されたのしか見てないよー、シナリオブックもDC版もネタバレしないでーという方はここで閉じてくださいね。よろしくお願いします。

トークインベントで村瀬Pが仰っていた「世の中の考察はほぼハズレ(でも楽しませてもらいました)」という言葉は常に胸に刻んでおきたい。
これは考察とかではなく、ただの私の偏愛の叫び集です。

※確認不足のシーンもあるかと思います。申し訳ございませんが、ご指摘下さると助かります。
不快に思われる方はどうかここで閉じて下さいませ。

ああ、9話が来てしまった。
一番苦手なんです、9話。
苦手というか、これまで通り大好きなところと、ウーンとなってしまったところの落差が激しくて、結果他の回ほど見返してないし、いろいろ書けることもない気もするんですが、でも1話ずつの積み重ねが大事なので。
あとDC版で一番衝撃を受けたのも9話。そこもじっくり書きますね。

2話の公園の続きから。回想……というより時空遡ったシーン。
紬と別れて家に帰ってきて、お母さんに
「誰がどうやって力になってくれるの」
っていう言い方がすごく目黒連くんの演技の真骨頂で、すでにキャパオーバーです。

そして空の絵からの誰も乗ってない公園のブランコにsilentのタイトルバック。エモの鬼か。
村瀬PがCMチームの監督、撮影班で撮ったって仰ってて、全編ずっと「どこをどの瞬間で切り取っても絵になる」んだけど、この回のタイトルバックはなるほどってより思った。
その分画面内の作りこみもすごいから好き嫌い分かれるところでもあるんだろうなとも思う。
ナチュラルに見えて、実はナチュラルの対極なやつ。

何回か書いてますが、私全体的に律子さん苦手なんだけど(想くんの部屋に行くところとかも)、シナリオブックでひっくり返ったところ。
駅でばったり会う……というか、お母さんが想くんと奈々ちゃんを目撃するシーン。

想と奈々、律子に気付いていない。
想、両耳に補聴器。
二人とも声を出さずに手話で、
奈々「図書館寄ってもいい?」
想「いいよ。また期限過ぎたの?」
奈々「過ぎてないよ。今日まで!」
と、笑顔で歩いていく二人。
律子、想の楽しそうな様子に安心する一方、疎外感もあり、
律子「……」

silentシナリオブック p286

いやオカン!疎外感て!!!
うーんうーん。やっぱり苦手だ……。
でもまあ登場人物全員好きになる必要はないのでね……。
でもここでこういう気持ちを持つお母さんなんだと思えば、この後のいろいろな辻褄も合う。
そういう意味でもやっぱりちゃんといろんな立場から綺麗ごとだけじゃない人間を描いてる脚本すごい。

湊斗からの年賀状、めっちゃ湊斗くんらしくてかわいいよね!
緊迫したシーンなのにすごい和んじゃった……。
メアドとかちゃんと書きそうだもん、湊斗!
この辺はすごく苦しいので、何回見ても目黒連さんいい演技っていうのと、散らばったCD古くない!?ってところに意識が……笑。
村瀬P曰く、想くん音楽好きだから絶対ディグってるはずだと。
だってブルーハーツあるもんね!?
そんでこの割れてるCDは村瀬Pが全部のレーベルに「ジャケット割っていいでしょうか」って許可取りしたらしい。えらい。
村瀬Pがトークショーで仰ってた想くんの設定は、スピッツが好きな男子の好みとして、ストレイテナーは聴くけどエルレまでは行かない(分かる)、群馬だしバックナンバーは絶対(分かる)、ミスチルも聴いてる(分かる)、ピロウズも聴いてる(分かる)。
本筋が辛すぎてめちゃめちゃ話逸れちゃった。

そしてですね、DC版衝撃のシーンですよ。
というか、みなさん。9話の予告覚えてますか?

https://x.com/silent_fujitv/status/1598339154953502720?s=20

19秒あたりの、想くんが甥っ子抱っこしてるシーン。
9話めっちゃ辛そうやけどこのシーンがあるなら乗り切るぞと思ったのに、本編になかったの覚えてますか。
このシーン、DC版にたっぷり入ってます。
なんでーーーーー!!!!!なんで切っちゃったのーーー!!!
こんなの需要しかないのにーーーーー!!!!!!
これも村瀬Pに直談判したい案件笑。
ちょっと前後も引用しますね。

佐倉家・玄関
華・優生を連れて帰宅。
華「ただいまー」
律子、キッチンから顔を出して
律子「おかえり」
華「想、部屋?」
律子「うん」
華「(優生に)よし、想くんに遊んでもらお」
と、部屋に向かう

想の部屋
想、空になったCDラックを眺めて、
想「……」
華と優生、想の部屋にやってくる。
想、視界に入った華に気付く。
華「想くーん」
と、手を振る。

想、優生を抱っこしている。
華、音声認識アプリを出して、
華「大きくなったでしょ」
想、頷く。
華「時々会いに来ないと、すぐに抱っこできないサイズになるよ。あとね、誰こいつって、覚えてもらえないよ」
想、笑って頷く。
想「(手話で)検査、大丈夫?」
華「検査?……あ、耳?優生?」
想、頷く。

silentシナリオブック p293-294

放送された本編では、玄関に入ってくる華ちゃんと律子さんの会話があって、すぐに想の部屋で検査の話してる2人になってるんですが。
その前に部屋に入ってきた優生を優しく抱っこしてあやして(優生くんの子役ちゃん、おやつ持ったままなの可愛すぎる。本番でもおやつ離さなかったんかな。かわいい)想くんめっちゃにこにこ笑ってて。
それで、空のCDラックの前で遊ぶ優生を見てフッと真剣な顔になって「検査大丈夫?」って聞くんだけど。
その甥っ子可愛いな、って思ったからこその、検査大丈夫?って流れがすごく重要だと思うんです!!!
それも空になったCDラックを見て(きっと様々な想いにふけった)あとに、そのCDラックの前で遊ぶ優生を見て言うのがすごい……素晴らしいと思うんだけど。
ここが切られているので、単純に幼子を抱っこしてあやしてる想くんってみんなが喜ぶであろうシーンがなくなってるのもったいなさすぎるし、
想が耳のことにだけ神経質になってるように見えるのも、ああ、ほんとにもったいない……。
DC版、結構お値段するからなって悩んでる人いたら、このシーンがあるからお勧めしたい……ほんのちょっとのシーンだけど、silent好きな人みんなに見てほしい。

そして湊斗からLINE来るシーン。
このLINE画面がめっちゃかわいくて!!!
みんな一時停止して読んだ?笑

想「駅でてすぐのとこ」18:24
湊斗「見つけた!」18:27
12/3(土)
湊斗「明日時間ある?
   この前言ってた鍋焼きうどん食べに行かない?」19:47
想「明日は予定があって。ごめん!
  行きたかった、、」20:46
湊斗「また誘うよ(手を振る絵文字)」20:55
想「うん 俺も連絡するね」21:22

もう今すぐ2人で鍋焼きうどん食べに行っといで~涙。
その前に待ち合わせしてるのもかわいいし。
「行きたかった、、」の句読点の使い方がめっちゃ想くんぽいし、また誘うよの絵文字がめっちゃ湊斗っぽい。
ああこんなの見せてもらっていいの?ってなっちゃう。
その返信までの時差、何してたのーとか思っちゃうよね。
LINE画面見せてくれるの楽しすぎる。
そんで実家にいるからすぐ既読つく想くんもかわいい。

で、地元の河原で会う想と湊斗。
このシーン大好き大好き!
ここも全編通して好きシーン上位に入る。
いかにも地元の高校生っぽい待ち合わせ場所だし、お互い地元だから、じゃああそこで、って通じる場所なのかな、とか。
ああキュンとする。
律子さんが通りかかって、家おいでって言うんだけど、いいって首振ってる想くんを見て「嫌みたいです笑」って律子さんに代弁する湊斗くんが好きすぎる。
想、湊斗に言ってもらわないで自分で言いな?ってなるし、言ってあげる湊斗くんが良すぎて。はあ。ほんとかわいい2人。
そんでなんだかんだ言いつつ、律子さんに車で駅まで送ってもらったと、ホームで待ち合わせで一緒に帰ったと思ってる私。
てゆうか、一緒に帰ろ?ってすぐ出てくる湊斗、かわいすぎて。今すぐ幸せになってほしい。

で、家に帰ってきて律子さんと話する想くん。
世のお母さんはそんな四六時中洗濯物を(以下同文)
想くんお部屋に入ったら上着脱いでほしい笑。
ちゃんとお母さんに話せてよかった。
手話だとよく話すようになった想くん。そっかそっか。涙。
そのあとの萌ちゃんの頭くしゃくしゃとかね!華ちゃんのYUKIとかね!キュンとくるシーン多いんだけどな、9話。

東京に帰ってきて、タワレコでスピッツのCD買う想くん。
ここでDC版だけに入ってるのが、私の貸してもいいよって言う紬に、想が
「店員さんなんだから買わせないと」って言うの。
ここの想くんの手話すごい良いから入れて欲しかったなあ。

で、ベンチのところでパンダメモ取り合ってじゃれるお2人。尊い。しあわせ。
こういうノリになるのが、想と紬なんだよなあ。
やっぱりこういうの見ると、湊斗と紬じゃこうはならんのよな、と思ってしまう。ノリが合うって大事。
「湊斗あいつ……」って言っちゃう紬ちゃん好き!

さて、いつもの居酒屋で飲んでる湊斗と拓実。えーあの2人付き合ってないの?中学生?とか軽く言ってくれるの助かる。
春尾先生奈々のお手紙落としちゃうの、リアタイ時考察仲間だったRちゃんと「え、春尾先生ずっと奈々の手紙持ち歩いてたの」「開封せずに、そんなウッカリ落とすようなところに保管してたわけ」「まさかこれもらった日?」「いや春尾先生のセーター同じに見えるけど違う!別日だ!」「春尾先生似たようなセーター着すぎ!」「はよ読んで!」ってざわついた思い出笑。

最後『ずっと』の2人。
紬が完全に恋してる女の子でかわいい。川口さんの表情の演技すごい。
ここもキュンキュンするんだけどなあ。


このあと、9話が苦手なわけを書きますね。
村瀬Pが9話は避けて通れないって言うなら私も避けて通れない9話なのだ。
楽しい話ではないので、読みたくない方はここまででお願いします。
想い溢れる10話でお会いしましょう!








9話まで楽しく見てたのに、9話で脱落した人もいるの分かる……。
まずちょっと炎上した華の子供の『優生』ってお名前ね……。
もちろんこの名前の方いらっしゃるだろうし、他意がないのも分かるんだけど、どんな名前選んでもいい創作の自由がある中で、主人公が耳聞こえないってことを丁寧に描いてるドラマで、ここでわざわざその漢字選ばなくても……という気持ちにはなったし、
私も目黒くんにここまで入れ込んでなかったら一瞬ですごく冷めたかもなあと思っちゃった。
想、紬、湊斗、光、萌、華ってみんなちゃんと考えられたお名前だからこそ余計に。

そもそも9話、8話でも書いたけど目黒くんのスケジュールの問題でサイドストーリーみたいになったのかなあと思うんだけど、
華ちゃんのエピソード……いる?と思ってしまうのよなあ。
出産前にお母さんは想ばっかり、とか。
生まれてすぐ検査して聞こえてますよ、とか。
そこで名前が『優生』って、そりゃ突っ込まれるにきまってると思うんだけど。

きっと制作って100人単位で人が関わってると思うんだけど、関わってる人たち全員がスルーすることある?って思うし……。
ここまで細部の言葉にこだわって、受け取る人とかシチュエーションによって意味が変わってくるよ、っていう物語性を描いてきたsilent、
となると、え、まじでダブルミーニング?聴覚を失った想くんを主人公にしというて、そんなことある?とも思うし。
せめて漢字を優希にするとか、なんとか、なんとかならんかったんかなあ。

DC版をしっかり見ると、華ちゃんの
向こうの親に想の耳のことちゃんと言えてない

遺伝だったら私の子供も聞こえなくなる可能性があるじゃない

律子(なんで自分のことばっかりなの、想のことも考えなさい)

自分のことじゃないよ、自分の子供のことだよ、お母さんにとっての想と同じだよ、自分の子供が一番大事

検査(耳聞こえてます)

想みたいになったらどうしよ、ってずっと不安で怖くて

でもさあ、想に会うたび話すたび思っちゃうんだよね。
想みたいな子に育ってほしいなって。

って流れも分かってあげられるし、だから優しく生きるで優生なのも分からんでもない(それでもセンシティブな名前だとは思う)けど、
最後の3行のシーン本放送ではカットされてるし、結局何言いたかったのか分からないって気持ちになっちゃう……。
道徳の教材ではないので、全部が人道的で平等じゃなくちゃいけないわけではないんだけど、聞こえる聞こえないが幸せかどうかじゃないって言ってきたのに、やっぱり聞こえることが幸せって言ってるように受け取れちゃう……。
もうちょっとなんとかならんかったんかな、silentならできたはず!と思った9話でした。


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