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マッサージ童貞

20年以上生きてきてるが「経験した事無い物って結構あるな」と思う。海外に行った事が無い人、バイクを運転した事が無い人。
色々あるが、僕はマッサージを受けた事が無い。
デスクワークで肩首腰が凝り固まり悲鳴をあげている。身体からのアラートを無視する理由もないので、人生初のマッサージに行ってきた。
幸い、ホットペッパーのポイントが結構あったので。

お店は駅の近くにある雑居ビルの一室にあった。
余談だが、雑居ビルのエレベーターへの不安が凄い。よく生きてるなって思う。

入店するや否や、片言の女性が案内してくれる。見たところ東南アジア系だ。
私が行った店では、施術に使うアロマを選べるみたいだ。
ストロベリーやハーブなど、様々な選択肢がある中で私はイランイランを選んだ。
理由は全く匂いの想像ができないため。ストロベリーやハーブは大方想像できる。
何?イランイランって。
デュラン・デュランと語感が同じ過ぎる。まえだまえだ然り、私は同じ単語の繰り返しに弱い。ちなみに、地元のリサイクルショップと同じ匂いだった。

まな板の上の鯉という言葉がある。
本当にアレと同じ状態だった。痛いけど、痛いと言うまででは無いくらいの痛さ。
「これってこう言う物なんだろうな」と自分を納得させる。店員さんが「イタクナイ?」と船場吉兆の女将くらいの声量で聞いてくれるが「大丈夫です!」と言い続けた。電車が通る音がする。
一体、今何分経ったのかわからない。
何分経ったかわからないが、最初より確実に楽になっていくのがわかる。
最初はただ痛く何が何だかわからなかったが、最後の方はパズルのピースが嵌る様に、何かいい感じになっていく。このいい感じが上手く形容できない。でも確実にいい感じなのだ。

初めては気持ちいい。
何かよくわからないけど、確実に絶頂へと近づいていく感じが一番気持ちい気がする。
いい感じを形容できないからこそいいんだ。

言語化してしまえば、それは新鮮では無くなる
陳腐化して気持ち良さを失ってしまう。

初めては良い。

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