10.なぜ? はじめから空気足りない?
みなさん、検査をはじめから「空気不足?」と思うことありませんか?
撮影中に仰向けやうつ伏せ、カラダを回転させたり、逆さま状態になったり、そんなときに胃の中の空気量が減ってくる。「そりゃゲップ我慢するの大変だよ..」と受診者に同情しながらも、心を鬼にして発泡剤の追加をしていると思います。
でも、検査をはじめから「空気不足?」、「どうもゲップしていないように思うのに..」「どうしてだろう?」
「発泡剤の量をもっと増やす必要があるんじゃないかなぁ」
と悩んでいる方いると思います。
ほんと悩ましいところです。
『3.空気量の見極め』で “かくれ空気不足” についてお話ししましたが、今回は、この「なぜはじめから空気足りない?」について、空気足りない原因についてお話ししたいと思います。
発泡剤は水で?バリウムで?
ここのところ、発泡剤は “ バリウム懸濁液 ”か “希釈したバリウム懸濁液 ” で飲んでもらっている施設がほとんどだと思います。以前は『水』で発泡剤を飲んでもらっていました。今でも追加の発泡剤は「水で」の施設もあると思います。
なぜ「水」から『バリウム懸濁液」に変わったのかというと、
発泡剤を水で飲む
↓
水が胃に入る」
↓
バリウム懸濁液に水が追加される
↓
バリウム濃度が薄まる
↓
バリウム濃度が下がるのが嫌だ!
ということで、バリウムで飲んでも発泡しやすい“発泡剤”が開発されました。
『バリウムで飲んでも発泡しやすい』とはいえ、水で飲むよりはさすがに発泡速度がゆっくりになっています。
撮影中の“発泡剤追加”は「速く発泡してほしい」との理由で、『追加は水で』
の施設があるんだと思います。
バリウムと水の発泡速度のちがい
「 “バリウムで飲んでも発泡しやすい” とはいえ、水で飲むよりはさすがに発泡速度がゆっくり」とお話ししましたが、どれくらい違うのでしょう?
下のグラフを見てください。これは、あるメーカーの「水で飲む発泡剤」と「バリウムで飲む発泡剤」の発泡曲線です。
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