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9.撮影の基本;その2付着②胃の回転軸を意識したローリング・体位変換

胃の粘膜面、標的部位の胃粘膜に“適度に”バリウムを付着させるには、『ローリング』や『体位変換』が必須となります。
ローリング:カラダを仰向けからうつ伏せ(うつ伏せから仰向け)、そして仰向け(うつ伏せ)と寝台の上で1方向に回転してもらう動作
体位変換:「仰向けからうつ伏せ」や「側臥位から仰向け」など。寝台の上でカラダの向き(角度)を変える動作
「ローリング」や「体位変換」をすることにより、目的となる粘膜面にバリウムを『流す(通す)』。これによりバリウムの付着が良くなります。

一コマ撮影したら再付着動作!
わたしたちが撮影している『胃粘膜』は『曲面』です。バリウムはそのなかで絶えず『下方向』へ落ちていきます。例えば「仰向け」での「背臥位二重造影正面位」撮影、標的部位は「体部から胃角部、前庭部にかけての全体的な“後壁”」。ここで“後壁”は『平面』ではありません。小弯側や大弯側は“傾斜”がかかっていますし、『“ま”後壁』と思われる部分も、頭足方向に“傾斜”がかかっているはずです。このような「後壁の曲面部分」は、“ほんのちょっと”でも時間がたつとバリウムが『下方向』へ落ちていき『後壁』全体のバリウムの付着は下がっていきます。
このバリウム付着の低下は止めることはできません。一コマ撮影ごとに再付着の動作(ローリングや体位変換)が必要です。

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