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12.呼吸は? 息は吸って撮影?吐いて撮影?

撮影時の“呼吸”は?
みなさん、後壁撮影(正面位・第一斜位など)のとき「息を吸って」撮影していますか?「息を吐いて」撮影していますか?
立場上、いろいろな施設、いろいろな撮影者の画像を見ることが多いのですが、大半の皆さんが「息を吸って撮影」しているようです。
これは、撮影を教わった先輩に「息を吸って撮影」と教わっているからだと思います。

なぜ息を吸って撮影?
息を吸うと肺は広がり「横隔膜」は下へさがります。それにともなって「胃もさがる(下に伸びる)」。そして胃の「後壁」が“広く観察できる”と考えられているからなのでしょうか。

息を吸って止めての撮影が正解?
そうとも言えません。息を吸って止めての撮影で「ザンネン..」と思える画像がけっこうあります。

呼吸による胃の動き(その1)
呼吸によって胃の「カタチ」胃の「位置」はどのように変化しているでしょうか?検査しているとき、透視で意識的に観察してみてください。
受診者によって、体型によって、腹式呼吸が得意か不得意かによって、胃の動きは様々だとわかると思います。

胃はどこでカラダに固定されているのか
呼吸による胃の動きを理解するには、胃がカラダのどこに固定されているのかを知らなければなりません。胃がカラダに“ガッチリ”固定されていたら、息を吸おうが吐こうが「カタチ」も「位置」も変わらないはずです。逆にまったくの「フリー」だったら、カラダの姿勢を変えるたびに腹腔内を自由にゴロゴロ動いてしまいます。で、「胃はどこに固定されているのか?」
答えは、ザックリとですが『噴門あたり』と『幽門あたり』が後腹膜に固定されてる。他の部分は固定されていない。
となります。詳しくは「胃の解剖(『胃と腸』用語集2012HTML版)
をご覧ください。

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