見出し画像

15.後壁撮影(仰向け)のときの “寝台頭低位” について

ここでは、後壁撮影のときの 「寝台頭低位」について日々思っていることを書いてみます。

教科書では後壁撮影(背臥位正面位、第一斜位、第二斜位)のとき 「寝台頭低位」を勧めています。正面位では「広い領域を描出するには透視台をやや頭低位にして撮影すると良い」
第二斜位では「撮影像の名称」が「背臥位二重造影第2斜位(頭低位)」となっており、「頭低位で撮影」することになっています。

寝台に上がったことはありますか?
みなさん、ご自分で撮影台に立ったことはありますか?寝台水平や頭低位や前壁撮影での「逆傾斜」を経験したことありますか?
実際に寝台に上がってみると、『寝台水平』の状態でも「ちょっとアタマが下がっている?」と感じるひとが多いと思います。自分も受診したときは「これで水平?」とアタマが下がっているように感じました。実際に寝台水平は「不安な気持ち」になるものです。

検査中の受診者との関係
「良い撮影・良い検査」には受診者との関係は重要です。検査の初めのほうで受診者に「怖い」「つらい」と思われてしまっては緊張もしますし、検査中の動きがぎこちなくなってしまうかもしれません。受診者は「頭低位」は嫌なはず。受診者が「嫌だ」と思うようなことをするときは、それなりの声かけをしたいところです。

なぜ正面位で頭低位に?
なぜ『頭低位』にするのでしょうか?
バリウムは低いところに溜まります。仰向けの状態では穹窿部や幽門部が低い位置になります。バリウムが溜まっているところは粘膜面が見えなく(見づらく)なる。この範囲をできるだけ少なくするために、アタマが下がるような角度をつけるわけです。
頭低位、「寝台に角度をつける」ということは “胃にも” 角度がつき、バリウムの境界線が頭部方向に移動する。バリウムの境界線を移動させるために「胃の角度を変える」ということは『後壁の傾斜角度』を変えることになります。この “後壁の傾斜角度” は胃のカタチ(鉤状胃や横胃)によっても変わってきます。

高低差.003

高低差.004

ここから先は

2,193字 / 6画像
診療放射線技師で胃X線撮影に従事する「初級者」のための参考書です。このマガジンを読めば『悩みは解決!』うまく撮影できるようになります!

“これで胃X線撮影が上手くなる!” 著者が3Dモデルを使って初級者に向け「講演・講義」してきたことを“動く参考書”としてテキスト化しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?