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自然の中での人間らしさ

自然環境リテラシー学 1年間の振り返り

2022年の6月からおよそ半年に渡り行われた自然環境リテラシー学。全部で5回の実習に参加し、今回はその振り返りを行っていきたいと思います。

今回の振り返りでは、「自然の中での人間らしさ」というテーマで、自然の多様性・怖さ・楽しさに注目して行いたいと思います。

自然の多様性

まずは、これまで私が参加した実習について振り返りを行いたいと思います。

1回目の実習の様子

1回目の実習は、マリーナ河芸さんでシーカヤックの体験実習を行いました。1回目の実習では、海の自然について触れることができました。また、シーカヤックを漕いで、近くの千里湿地にも行きました。

2回目の実習のときの銚子川

2回目の実習は、紀北町のキャンプinn海山さんを拠点に銚子川で活動しました。銚子川は下流部では、淡水と海水が混ざることによって生じるゆらゆら帯の観察を行いました。また上流部では、大きな花崗岩の一枚岩を見ることができました。

熊野海道のときの様子

3回目の実習は、熊野海道コースに参加し、鳥羽周辺の海でシーカヤックを漕ぎました。この回は、2泊3日の実習でしたが、天気の移り変わりが激しい回でした。1日目はなんとか海に出ることができましたが、度々大雨が降っていました。2日目は1日目とは打って変わり、落ち着いた天候で1日を通して、シーカヤックを漕ぐことができました。3日目は風が強い日で、シーカヤックが風に流されそうになりました。また、突然の雨に降られることもありました。

4回目の実習のときの銚子川

4回目の実習は、2回目の実習と同様、銚子川で活動しました。この回では、銚子川近くの便石山に登り、頂上付近から、銚子川周辺を一望しました。また、このときの銚子川はさまざまな条件が重なり、前回来たとき以上の水の透明度でした。

大多賀山林の様子

5回目の実習では、紀北町の速水林業さんが所有する大多賀山林を訪れました。この回では、自然と人間の関わりとして、特に林業について考えました。人の手が適度に加わった大多賀山林は、素晴らしくきれいな森でした。

ここまで、これまで参加した実習の内容について振り返ってきました。この自然環境リテラシー学のたった5回の実習で、海・川・山などなどさまざまな自然に触れることができました。また、これらすべての自然が三重県内にあるものです。 これだけの自然があり、その姿や自然環境は多様です。自然が多様であるからこそ、感じ取れるものがさまざまあるということになります。 また、同じ自然でも、美しいと感じたり、不思議だと感じたりと感じ方も十人十色です。しかし、自然の中に入ることで必ず何か感じるモノがあるとこの自然環境リテラシー学を通して思いました。

自然の怖さ

ここまで自然の多様性についてまとめました。しかし一方で、自然には怖い面もあります。
自然は、人に対して牙を向くことがあります。自然の中での事故や災害によって最悪の場合、命に関わるようなことが起こる可能性もあります。

自然で活動している際の事故例としては、海や川に設置してあるテトラポッドの隙間に落ちてしまい溺れてしまうことがあります。また、堰などの人工物の上で遊んでいて、川の流れでによって体のバランスを崩し、そのまま流されてしまうこともあります。


川での事故の例

また、自然の怖い面には、天候の影響による被害もあります。例えば、大雨や強風による建物の破壊も自然の影響の一つとして挙げられます。実際、今回の実習中、大雨によってタープが壊れるという事件も起こっています。他にも急な川の増水も天気による影響です。


天候の影響の例

このように、自然の中では予期しない出来事が起こる可能性もあります。
そのため、万が一のための対策が重要となります。

まずは、体調管理です。体調が悪いことで注意が散漫になり、予期しない出来事に対して的確な行動を取ることができない可能性が高まります。また、熱中症や低体温症になる危険性も高まり、より体調を悪化させることにも繋がりかねません。そのため、自然の中で活動するときは、安全面においても体調を整えることが重要となります。

2つ目に事前の安全管理・危機管理・リスク管理を行うことです。安全に活動が行えるように準備をしたか、危険が生じた場合の対応策はあるか、どんなところに危険が潜んでいるのかなどです。
これらを行うためには、危険に備えた万全の準備が大切です。例えば、海や川などで遊ぶときは、ライフジャケットを着用するなどがこれにあたります。また、服装などをより危険に備えたものにすることなども重要です。


川での装備例
出典 / 河川財団「水辺の安全ハンドブック」  Illustration / 山下 航

3つ目に天気予報を把握することです。
天気予報を把握しておくことで、次の行動の選択を間違える可能性が低下します。今、晴れていたとしても、数時間後の天気がどうなるかはわかりません。もし雨が降って、川の増水など危険な状態となる可能性があるとわかっていれば、活動を止める事もできます。そのため、天気予報を把握しておくことは重要となります。

自然の楽しさ


自然の楽しさ

自然の怖い面について紹介しましたが、自然は何より楽しいものです。安全に気をつけて活動を行うことで、新しい発見や今までに感じたことのない新しい感覚を覚えることがあるかもしれません。
自然の中での体験は、体験してみて初めて分かるものです。ただ、見たことや聞いたこと以上の楽しさが自然の中にはあります。自然の中で活動することで、辛いことや大変なことを忘れることもできるはずです。自然を楽しむことは、町の中で遊ぶことよりもまた違った感覚を楽しむことができます。ぜひ、自然を楽しむことを経験してみてください。

最後に、今回の実習の中でお世話になったキャンプinn海山の田上至さんの言葉が印象に残っているので紹介させていただきます。田上さんは、自然の中で遊んでいるときが、最も

「人間らしい」

と言われていました。
皆さんも自然の中で自分の人間らしい一面を見つけてはどうでしょうか


熊野海道2日目の朝日

この半年間の自然環境リテラシー学でお世話になった方、施設の方ありがとうございました。


○実習1回目
 マリーナ河芸さん


○実習2回目および4回目
 キャンプinn海山さん


○熊野海道
 内田正洋さん(海洋ジャーナリスト)

 柴田丈広さん(アルガフォレスト)

 南平純さん(OUTISE)


○森と林業回
 速水林業さん

 岡田まりさん(野地木材工業)


参考サイト
河川財団 『水辺の安全ハンドブック』


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