シングルマザーが赤面症を開き直って何とかなった話

33歳の頃に離婚をし、現在53歳である。

元々、内向的な性格で、
人前に出るのが苦手だった。
自分に誰かの視線が集中すると、顔が赤くなった。

「顔が赤くなっている!!」
そう思うと、ますます、顔が赤くなった。

こんな自分が、33歳で離婚することになり、
いきなり社内研修の講師をする事となった。

不安でいっぱいだったが、

お前にはこの仕事が相応しい

と思われて、採用されたと解釈していた。

だから、全力で取り組もうと思い、
完全に今までの自分とは正反対に振り切っていた。

特に振り切ったのは、
次の2点だ。

① 仕事が出来るフリをする

中身がなかったので、
「仕事が出来るフリ」をすることを
徹底した。

元来、フリルとリボンが大好きで、
ロングスカートに日傘をさして、
ヒラヒラ歩く人間だった。

子ども達には、ホットケーキやスイートポテトを作ったり、
とにかく家庭の中で、「ママ」でいる事が大好きだった。

しかし「リボンやフリルが大好き」とか「手作りおやつ」とか、
言っている場合ではなかった。

髪型をショートボブにし、
紺か黒のスーツ着用とした。

貧乏だったので、スーツはダイエーで買った。

ヒールが苦手だったが、
黒い6㎝ヒールパンプスで威嚇した。

とにかく、見た目だけでも
『仕事できる風』を装った。

並行して、賢く仕事が出来る印象を持たれるよう、本やネットで情報を集め、実践した。

ビジネス書は、100冊以上は読んだと思う。

そして、何かにつけてメモを取っていた。
必要ない場面でも、メモをとっていた。

なぜなら、メモをとる事で
「仕事してます感」を発揮できるからだ。

② 赤面症を開き直る

講師なので、大勢の前でプレゼンをする。
顔が赤くなるのはわかっていた。

特に冬は、室内外の温暖差があり、
首まで赤くなった。

しかし、だから、なんだ??
内容が伝わるほうが重要だろ。
参加された人に、
わかりやすく伝え、学んでもらう事に、
顔の赤さは関係ない。

「顔が赤い」と思われて、大歓迎だった。

完全に開き直っていた。

研修内容を丸暗記して研修を行い、
よくわからない質問には、

「一度、持ち帰らせていただきます。
 少しお時間をいただきますがお願いします。」

この一言で、全てを対処した。

・・・・・


こんな調子で、33歳から36歳までの4年間、
西日本を出張して研修を続けた。

新幹線も一人で乗れなかった自分が、
名古屋から沖縄まで、全ての県を訪問した。

契約社員だったが、2年目で
チームで一番上の役職になった。

自分の性格には合わない仕事だったかもしれない。

しかし、この仕事が私を強くし、
次に進む力をくれた。

この仕事を任せてくれた上司に、本当に感謝している。

(この時の上司とは、転職後の会社で再会しているが、
 別の機会に記載する)

若い世代に伝えたい事

自分の性格とは合わない仕事、
少しハードルの高い仕事に抜擢されたり、異動を打診されたら、挑戦して欲しい。

もちろん、パワハラ案件は除外でよい。

「なんで自分が・・・」と思うより、
「自分だからこそ・・」と思って欲しい。

苦手であればあるほど、得るものがある。

失敗してもいい。
その経験が糧になる。

老婆心ながら、記載する。

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