見出し画像

別冊フレンド『あの子の子ども』番外編

2024年9月13日発売の『別冊フレンド』2024年10月号に、「あの子の子ども」番外編の「第X話 来夢」が掲載されています。

漫画本編は、8月号で無事に完結しました。

第31話にて、福に若年妊婦友達の「来夢」ができ、色々とスマホで助け合ったりしていた仲なのですが、福が出産する第36話の最後で、来夢が「保護責任者遺棄致死」の容疑で逮捕された、というニュースが宝のスマホに流れます。
この番外編は、この来夢の事例を描いた、『若年妊娠のもう一つの物語』です。

別冊フレンド公式サイトより引用

話の扉に、「DV・孤立出産・乳児遺棄の描写がある」ことと、「にんしんSOS」と「女性相談支援センター」のURLが書いてあり、さらに、作者・蒼井まもる先生のメッセージもあります。

別フレ読者の皆さんへ
 このお話には、目を背けたくなるような描写がたくさん出てきます。無理に見る必要はありません。今の自分にとって必要か考えて選択してください。大切なのは、自分で考えて決めることです。それは「あの子の子ども」本編でずっと描いてきたことなので、伝わっていると信じています。私はあなたの意思を尊重します。
 私は描くことが必要だと考え、掲載に至りました。よろしくお願いします。

別冊フレンド2024年10月号535ページ

来夢は、「被虐待児」でした。

そして、虐待の辛さから逃れるための行動を取り続け、最終的には、ひとりで生んだ赤ちゃんを、捨ててしまいます。

虐待経験のある子どもが、成人してから「虐待する側」に回るのは、珍しいことではありません。

精神保健福祉士の斉藤章佳先生は、これを【世代の連鎖】と呼んでいます。

若年女性だけではなく、親とその周りの人達に避けて通れない、「もう一つの現実」。

蒼井まもる先生は、本編第36話が掲載された「別冊フレンド」2024年7月号の発売の前月、ドラマ『あの子の子ども』放送開始発表の直後、Xアカウントを削除(非公開ではなく、本当に削除)しました。

年頭の『セクシー田中さん』問題で、作者の芦原妃名子先生が亡くなられた事例を考慮し、「先手を打った」と感じました。

そうまでして、この現実を伝えたかったのではないか?
「妊娠と出産」は、綺麗事ではない。

それを、この連載を始めた最初から、載せるつもりだったのかも知れません。

この番外編は、「別冊フレンド」10月号の掲載漫画の中でも、かなりビターな内容です。
少女漫画の路線を外さずに、苦い問題を正面から描いた、蒼井先生の想いが伝わります。

番外編は、来月の『別冊フレンド』11月号でも、「宝と福と真、3人のその後」が掲載予定で、11月に単行本第10巻の発売で、シリーズ完結予定です。


明日、9月17日には、ドラマの最終回があります。

別の意味で色々驚いた内容ですが、それもまた書きたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?