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僕は、男性恐怖症です。

僕は、1985年の同性間性被害の影響で、今でも「男性恐怖症」です。
僕自身も、肉体的にも精神的にも「男性」なので、「僕自身を含めた男性」が怖いです。
『男性恐怖症』と自覚できたのは、2018年初秋に、精神科の診察中に、突然性被害、「男子中学生から何をされたのか」を、記憶が復活して明確に話してしまい、それから数日後のことでした。

そのため、男子トイレに入るのには、今でも抵抗があります。
中に誰もいないときは入れますが、後から他の男性が来たときには、とても怖いことがあります。
小用のときは、なるべく他の男性との間隔を開けますし、あるのだったら、優先的に多目的トイレに入ります。
ガタイがあるので「障害者」と信じてもらいないこともありますが、ヘルプマークを見せたり、時には障害者手帳を提示すると、警備員さんにも信じてもらえます。

更に、銭湯・サウナ・プール・海水浴場など、「自他の男性の裸体」が露わになる場所には行けなくなりました。
多分、相撲やプロレスを生で見るのも無理だと思います。

実際に僕は、男子トイレや通勤電車の中でも、様々な「同性間性暴力」に遭った経験もあり、ある日、昼間の歌舞伎町で『いい柔道体型してるね〜!』と声をかけられたことがあり、帰宅後に意味を調べてみたら、怖くなってしまった記憶もあります。
(新宿2丁目で、そのような声をかけられたことは、全くありません。)

「男性が男性恐怖症になるのか?」と、今でも驚かれることがあります。
確かに、「男性から女性への性暴力」以外は、近年まであまり表沙汰にならなかったため、日本の社会全体で、「男性恐怖症の女性」がステレオタイプとして刷り込まれてしまっている問題があります。
ですが、現実問題として、性暴力被害が原因で「同性を恐怖する」ようになった方は少なからず存在するため、同性間性被害の影響で、女性恐怖症になる女性も少なからずいます。

また、性被害は主に「身体的性別」を標的に行われるため、例えば「女性を恋愛対象とする女性」、いわゆるレズビアンであっても、また、「男性に性的感情を持たない人」であっても、「乳房や女性器がある」という理由で、男性から性暴力被害に遭う問題も起きています。
(この「性的少数者への性被害」の話は、また日を改めます。)

この問題は、「性暴力被害の後遺症」としてもかなり複雑な背景で、かつ今まで社会の目が向いてこなかったのです。
『ジャニー喜多川の性加害問題』で一気に表沙汰になりましたが、それ以前にも「男性間性暴力被害」を訴える男性は少なからず存在していました。
ですが、「男性から女性への性暴力」の事例比率が圧倒的に社会認知が高かったため、それ以外の事案は【不可視化】されてきたのが現実です。
例えば、僕が朝日新聞から最初に取材を受けたのは、2021年8月のことです。
それから何回も朝日新聞社に足を運び、2023年3月に、記事として載りました。

「男性恐怖症」のため、僕は、(たとえ専門家だったとしても)男性に自分の性被害を話すことができません。
「男性に話す」だけで、フラッシュバックが起きる可能性があるからです。
また、一般的な女性に対しても、話せません。
「男性の性暴力被害」について、まだ社会的な認知がなく、以前、僕が20年来の知人女性にうっかり話してしまったところ、その女性が帰宅後に体調を崩され、以後面会謝絶となった事もあります。
従って、僕が自分の性被害経験を話せるのは、産婦人科医・助産師・性教育活動家・風俗で働いていた経験のある方、性教育を学んでいる学生さん、そして『性暴力被害の経験のある方』など、ほぼ「性の知識や経験のある女性」に限られています。
2021年から通い続けているカウンセラーさんも、「男性の性被害に対応できる」女性の心理士さんですし、約1年前から転院した内科医院でも、最初に事情を説明して、女性医師に担当をお願いしています。
この先生は、肌着の上から聴診器を当ててくれるので、助かっています。

「男性恐怖症」の対称・投影として、「女性そのものに過敏」な状況も起きています。
これについては大分改善されましたが、詳細は日を改めます。

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