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2.5を浴びる青江単騎出陣in2022春

バーモ!まだまだ肌寒い今日この頃、はるばる京都でこんばんは〜

刀剣乱舞の2.5次元ミュージカル、略して刀ミュを観劇するのは今回で2回目。2016年の真剣乱舞祭ぶりです。その頃まだにっかり青江は登場しておらず、その後の過去作品も拝見していないので正真正銘?の初めましてです。ちなみに荒木さんとも初めまして^_^

印象に残ったシーンを簡単に。


序盤。釈台を運び講談を始める青江さん。伏見城での物吉くん扮する鳥居元忠と徳川家康のやりとりを巧妙に読み上げる。そこから家康と村正、蜻蛉切、信康と大倶利伽羅のエピソードを。ここのシーンは聞いていくうちに「ああ、過去作での任務のことなんだろうな」と察した。履修済みの人はより感情移入しやすいのだろう。ここで一番重要なのは「物吉くんが作り笑いをしていた」こと。これが青江の自己実現へと向き合う鍵だったに違いない。

修行前に律儀に一人ずつ会話していくシーン。相手のいる位置を照明で照らして影とのコントラストが立体感を生む。ところどころ今は誰と話しているんだな、ってわかるのが面白い。


「僕がもっと強ければ、皆は刀のままでいられたのに」

一番印象に残ったセリフ。戦闘中に放った言葉だった。

今まで私の根底にあった刀剣男士像は顕現することに対してプラスとはまでいかなくとも少なくとも肉体を得られる、意思決定ができる、などマイナスとして捉えることはないと考えていた。しかし、この言葉は捉え方によっては、刀剣男士としてよりも「刀のままでいること」の方が良い、という考えで私は軽く衝撃を受けた。

「刀のままでいること」と「刀剣男士」。青江は多くの人を殺めたその手で、人を笑顔にすることができるのか、ひどく悩んでいたに思える。

後悔に苛まれながらも幽霊と向き合うことで、徐々に自分のあり方を見つけていく青江。最後は晴れ晴れとした修行後の姿で幕を締める。


とまあ、簡単に書き綴りましたが、総評すると刀剣乱舞って奥が深いんだなあ〜〜です。アプリでは修行はぽちぽち「あ、修行ね。行ってらっしゃ〜い」手紙をふんふん読んで「おかえり〜〜」くらいなので、こんな葛藤が青江の中で繰り広げられているとは露知らず。こんな風に突き詰めてミュージカルにするってやっぱり面白いな、と感じました。

あと修行中のことはなんかサラッと書きましたが実際はこの100倍心動かされるので、というか実際に生で見てください。もうやめて〜〜〜!ってなります。

刀剣乱舞って良い意味でも悪い意味でも決まったストーリーが公式にないので、にっかり青江というキャラクター像は個人的に自分の中でふわふわしていました。持つイメージとしてはミステリアスで本心で何を考えているのかわからない。しかし舞台上でこんなにも言葉にして腹の中を見せる青江は新鮮で、新しい青江の一面を見れた気がします。にっかり青江に対する解釈の幅も広がりました。


そして私がこの公演で驚いたこと。

「単騎出陣ってほんとに単騎じゃん!!!!」です。

何を今更、ですが観劇前は時間遡行軍の敵役くらいいるだろうと考えていたんです。それが幽霊まで一人二役とは!

この大ホールに埋め尽くす約1000人を舞台に引き込んだのは、脚本の力もそうですがやはりなんといっても荒木さんのお芝居でした。

とんでもない台詞量なのは想像に難くありません。特に講談のシーンなど。私がもし台本を見たらその文字量に気が遠くなりそうです。そして一人芝居。一人芝居って一歩間違えると滑稽になると思うんです。それも醍醐味かもしれませんが。殺陣のシーンも傍から見ると一人で刀振ってるだけなんですよ。それをあたかも敵がいて接敵している空間を作り出す。

荒木さんのお芝居は一人芝居だということを感じさせない、観客を引き込む力があると素人ながらに感じました。

幽霊との一人二役は紅さんの双子座を思い出しました笑。これも本当に難しそうだな、と。半顔だけで突然印象がガラッと変わる演技力、高音との切り替え。幽霊から触発されて感情を大きくあらわにするシーン。

この公演を通して荒木さんの力量をまざまざと見せつけられました。


単騎出陣って何するんだろう〜〜と軽い気持ちで観劇に挑んだ半日前の私、こんなに刺激をもらえるとは思ってもみませんでした。この「修行」というものも主が登場するわけでも、別の刀剣男士が葛藤を聞いて直接アドバイスを言ってくれる訳でもありません。なので本当に言わば精神世界、自己対話で成り立っているのでそういった点でも一人芝居がぴったりだな、と感じました。

また、過去作から一通り観劇しておくと成長の過程がより感じられて2倍楽しめそうです。ひょんなことから今回の観劇の機会に恵まれた私ですが、本当に行って良かったと思える公演でした。またご縁があることを祈って。












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