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10年ぶりのSUMMER SONIC2022はヤツに全て持っていかれた…

8/20(土)SUMMER SONIC2022@Tokyo 初日に参戦してきた!

調べてみたらサマソニで幕張に行くのは何と10年ぶり!2012年は炎天下の中、青髪+ネクタイスーツ&革靴というヤヴァイキャラクターを「演出」して一人で行ったっけ。大トリのGreen Dayでスーツのままもみくちゃになってクラウドサーフでめちゃくちゃ泳いだな。あれからもう10年か・・・。光陰矢の如し、隔世かくせいの感。

かく言う本家サマソニも3年ぶりの開催ということで実にめでたい。というか、おかえり、というべきか。この数年音楽業界のみならずあらゆる産業が煽りを喰らいましたが、ようやく復調の兆しです。人間も音楽も『ドッコイ生キテル街ノ中』(eastern youth) 。

10年前と違ったのは一人参戦じゃなかったってとこ。093が入念に交通機関と会場内の移動、所要時間などをプランニングしてくれたので、実際ほぼそれ通りに動けたことは大きかったと思う。Chance favors the prepared(幸運は準備したものに味方する)とはよく言ったモンだ。以下見たアクトを時系列で。

Mrs.GREEN APPLE @MARINE STAGE

今のJ-ROCKシーンにおける次世代の旗手とも言うべきバンド。存在も脚光を浴びていることももちろん知ってはいたが、これまでイマイチ興味が持てず、きっかけもないまま時は過ぎていったが…。

時は来た。昨年の夏、3の幼稚園の運動会のリレーで流れてきたとある曲がめちゃめちゃ「夏」っぽくて、一発で心を持っていかれた。093と「この曲なに?めっちゃイイ!!」と盛り上がってその場でShazamって出てきたのがコレ。

2018年発表、7枚目のシングル『青と夏』。映画『青夏 きみに恋した30日』の主題歌でミセスの中でも最大のヒット曲。

何がイイかって、もう全て良い

ハンドベルやストリングス、テープの逆回転など徹頭徹尾貫かれたキラキラした音像、風景と匂いを感じさせる歌詞、効果的に挿し込まれた風鈴や蝉の効果音、そして『青春』のすべてが詰め込まれたような焦燥感と躍動感溢れるMV。

曲の長さとしても4分半という絶妙なタイム(個人的には3分半~4分半くらいのポップソングが一番好き)。構成もイントロ→1-A→1サビ→2-A→B(友達の嘘も~)→2サビ→C(寂しいな~)→D(運命が~)→大サビ という独特の展開。特に1-A終わり→1サビの間がギターオブリ僅か1秒もない半拍ってのが粋で痺れる。

Vo/G大森元貴おおもりもときさんのソングライティングも本当に素晴らしい。数秒聴いて心を鷲掴みにされるキャッチー(catchy)なメロディとはこういうものですよ!というお手本のような曲。本人もその辺をかなり意識しているよう。

■ミセスの曲は、Aメロがすごくキャッチーですよね。

うれしいです。YouTubeとか試聴サイトで、はじめの30秒くらいしか聴けない場合などがありますよね。それに全く知らない人の曲を聴くときに、サビまでの30秒って、けっこう長い気がするんです。その30秒を待たせるくらいなら、Aメロからつかみにいきたいなという気持ちはあります。
ミュウスク 軽音マガジン2018 インタビューより

メロディと歌詞のハマり具合も素晴らしく、このメロにはこの歌詞しか入らないだろうな、という言葉をズバッと入れてくるあたりも脱帽。手法として『青と夏』の大サビでも出てくるが、ドレミファソラシドの音階をそのままサビにブッ込んで来たりする『StaRt』という曲もある。以下も曲作りに関するインタビューで、当時21歳にしてこの一家言。めちゃくちゃ参考になります。

■曲と歌詞はどちらを先に作るんですか?
メロディと歌詞は同時に出てくるので、どちらが先かは自分でもよくわからないんですよね。トラック・メイクを先にして、そこにメロディと歌詞をのっけていくような感覚です。漠然としたビジョンはあるんですけど、完成図を予想して作っているわけでは決してなくて。「母音がこんな感じ」とか「絶対にこの言葉は入れたい」「こういうフレーズはどうかな」といういろんなイメージを照らし合わせながら、作詞と同時にメロディを歌って録音しています。だから、ちょっと語弊があるかもしれないですけど、録音が済んだころには、もう「他人の曲」みたいな感じなんですよ。録ったものを聴き返してみて、「こんなフレーズでこんなメロディを歌ってたんだ」「あ、Bメロはこんななんだ」と、ハっとさせられる瞬間がけっこうあるので、自分でも面白いなと思ってます(笑)。
ミュウスク 軽音マガジン2018 インタビューより

また、歌唱も起伏と抑揚に富んでいて聞く耳を飽きさせない。特にただでさえ高音の地声の更に先を行くファルセット・ボイスの突き抜け具合が突出して上手い。鼻濁音を響かせてオペラ歌手さながらに歌うのも特徴。シンガーとしても相当の実力と表現力をもっていることは、最新曲『ダンスホール』でも顕著に表れている。


バンド名からも想像に難くないように、自分たちの音楽をしっかり自分たちでカラフルに彩っていて素晴らしいと思う。

セカオワほどファンタジーにならず、RADほど唯我独尊にもならず、ホント丁度良い塩梅のとこを行ってるんだよな。大衆をしっかり意識して覚悟決めてポップスを作っている感じも伝わってきて好感しかない。

数年前にメンバーが2人抜けて、今年から3人編成として再スタートを切った彼ら。ビジュアルはこんな感じです。

もはや韓流アイドル


実際右のギターの子が567感染で当日のオリジナルメンバーは2人しかいなかったんだけど、見れて良かった。

左の鍵盤の子(藤澤涼架りょうかくん→カッコイイ名前!)は出立ちが見た目以上にYOSHIKIっぽかったな笑。AメロBメロの演奏を放棄してたっぷり使ってステージを駆け巡り盛り上げ、サビの演奏に間に合うように猛ダッシュして立ち位置まで帰るとこも微笑ましかった。

大森くん(愛称とかあんのかな)もフリフリの衣装でハイヒールはいてたりと笑っちゃった。サポートドラマーは昨年の相川七瀬さんライブでも見た神田リョウさん。

限られた30分の中で代表曲含めてしっかり演ってくれて良かった。しっかし歌マジで上手かったな…。遅まきながら完全にファンになりました。ミセス、サイコ、サイコ、サイコ、サイコゥ!!!

SET LIST
1.インフェルノ
 2.CHEERS 
3.ダンスホール 
4.僕のこと 
5.ニュー・マイ・ノーマル 
6.青と夏

BEABADOOBEE @MARINE STAGE

ミセスの余韻を味わいながらビールを喉に流し込み、いい感じでchillって来たタイミングで次のアクト。男女混合の4人組バンド?と思いきや実際はフィリピン生まれロンドン育ち、Vo/Gのビー・クリスティのソロプロジェクトみたいね。海風に吹かれながら浴びるオルタナっぽい質感のロックはめちゃくちゃ心地良かった。

SET LIST
1.Worth It
2.Together
3.Care
4.See You Soon
5.Coffee
6.She Plays Bass
7.Talk
8.10:36
9.Back To Mars
10.Last Day On Earth
11.Cologne

サンボマスター@BEACH STAGE

さあ次はフェスにおける最強3ピースバンド、サンボマスターだ。BEACH STAGEという事で海辺へ移動し靴を脱ぎ捨て裸足を砂に埋もれさせる。ああ、足が土に還っていく…夏も帰る…めちゃくちゃ気持ちイイ。

お察しの通りのっけからもうフルスロットルでした笑。Vo/Gの山口隆さんの曲間の煽りは相変わらず忙しくて暑苦しくて最高だった。20年選手の煽り方じゃねぇ笑。

『ソーシャルディスタンス取ったら踊れない協会の皆さんですか??そんなもんか幕張ー!!!』

『あんたがたがクソだった事なんて今までで一回もないんだよ!!!』

『全員優勝!!!愛と平和!!!愛と平和!!!』

サンボマスター、マジ、サイコ、サイコ、サイコ、サイコゥ!!!

SET LIST
1.輝きだして走ってく
2.ヒューマニティ!
3.忘れないで 忘れないで
4. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
5.ラブソング
6.ボクだけのもの
7.できっこないをやらなくまたゃ
8.花束

Aimer @ SONIC STAGE

ここでようやく室内へ。お次は2011年デビューのソロシンガーAimerエメ。正直あまり予備知識なく、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』のOPテーマ『残響散歌』が聴ければいいかな・・・くらいのノリでいったところもうもうすでに入場規制っぽい感じで相当ごった返していた会場。人の流れを読みつつ後方でゆったり聴いてました。歌声が透き通っているんだけど決してキンキンのハイトーン、という訳でなく、LowからMidにかけて独特の倍音というか気持ち良い声の成分がある歌だなあと思った。『残響散歌』も盛り上がったけど、個人的には『カタオモイ』がむちゃくちゃ良かった!

SET LIST
1.地球儀
2.STAND-ALONE
3.オアイコ
4.カタオモイ
5. ONE
6. Run Riot
7.残響散歌
8.蝶々結び

ASH DA HERO @J-CULTURE STAGE

ASHのソロプロジェクトを終え、昨年新たに「バンド」としての始動を表明したASH DA HERO。もうかれこれ4,5年前からのファンでフェスではちょくちょく見てたが、バンドとしては初。いやー、ガンガンカマすライブで良かったね。ソロ時代の曲を1曲もやってなかった(はず)あたりが、バンドとしてやってくんだという気概と矜持を感じました。さらなる活躍を期待してます!

SET LIST

1.Super Dinosaur
2.DIDARA
3.Avengers
4.WARAWARA
5.Merry Go Round
6.Lose yourself (EMINEM)
7.エゴイスト
8.レーズンデートル
9.Remember


HYDE @ PACIFIC STAGE

さあラストはもはや説明不要、ラルクアンシエルのVoにして孤高の天才、HYDE。30分前から陣取って開演を待つ。

いきなり金髪と黒ロングコートのいでたちで、文字通りの「王座」に座り、4人の怪しい黒子にそれを神輿風に担がれながらのステージング。いやーシビれた。そのあともハード系のロックチューンを連発。お立ち台を縦にしてその上に仁王立ちになっての煽りや、金属バットでビア樽をぶったたいたり、YOSHIKIよろしくドラムのハイハットを床に叩きつけたりとやりたい放題笑。

しかしながらその煽り方や演出が実に「大人」だなあと思わせるものでした。期せずして翌日出演していたONE OK ROCKのVo.TAKAのこのご時世に対しての無邪気なMCと対比されて株を上げた形になってたけど、以下思い出せる限りでのMC要約。

「ルールなんて関係ねえ、声出せーーー!!!

っていうのもなんか違う・・・

怖がっている人の横ではしゃぐのはダサい。残念ながらルールがあるからこうやってライブが出来ている。でも考え方によってはスペースがあるじゃないか。

そのスペースはお前たちが567から勝ち取った場所なんだぞ!有効的に使え!!!!

『GLAMOROUS SKY』や『HONEY』などのヒット曲もロックアレンジで披露し、最後の『MIDNIGHT CELEBRATIONⅡ』では床に寝そべって天をも突き抜ける程のシャウトをぶちかまし、風のように去っていったHYDE様。もう神々しいという言葉しかなく、しばらく呆けておりました・・・。円熟した大人のロックとはこういうものかとまざまざと見せつけられ、全てをHYDE様に持っていかれ、10年ぶりのサマソニは幕を閉じたのでありました。

行って良かった!

SET LIST
1. LET IT OUT
2. AFTER LIGHT
3. DEFEAT
4. MAD QUALIA
5. SICK
6. THE ABYSS
7. GLAMOROUS SKY
8. ANOTHER MOMENT
9. Duality
10. 6 or 9
11. HONEY
12. MIDNIGHT CELEBRATION II

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