好き

これが好きだといえることが羨ましい。
自己紹介で当たり前のように私の趣味はこれですと言えるクラスメイトが不思議でたまらなかった。
大体、好きってなんだろう。
好きというからには、それについて聞かれたらその辺の人よりは詳しくないといけないという義務感や使命感のようなものが私にはある。
だから迂闊に好きだなんて言って、にわかだと思われるわけにはいかない。
かといって、詳しくなりたいと思うほど熱を上げられるものに出会ったことがない。
そんなこんなで「趣味は寝ることと美味しいご飯を食べることです」とかいう何も深掘りされない類に落ち着く始末だった。

結婚を意識し始める周りや彼氏と別れて焦る友人の様子を見て、最近ちょっと考えることが増えた。
人と関わることで疲れたり、嫌な思いをすることが多かったが為に、自分が誰かと一緒に暮らすなんてまるで想像できない。
ではこのままお独りでどうぞと言われると、それはそれで心許ない。孤独死、こわい。

そうしてあれこれ検索しているうちに、結婚の在り方は様々あることを知った。
そのうちの一つである別居婚は金銭面でみれば非合理的だが、私にとってはある意味で理想かもしれないなんて思い、漠然とイメージしてみる。
子供が欲しいわけでもないし、お互い自分の生活に責任を持っていればいいから文字通りフェアだ。
ご飯を一緒に食べれる距離、同じマンション内とかで共生する。良さそう。
そう考えたら、もはや性別は関係ないのでは。
彼氏じゃなくても気の置けない女友達とか、きっと、いや絶対楽しいと思う。

あいにく狭い人間関係に生きている私の周りは、結婚して子供をって考えている堅実的な子が多いからあまり現実的じゃないのが残念だけど。

人は思っている以上に他人に無関心だし、生き抜くって簡単じゃないな。
悲観的な意味抜きで、眠るようにリタイアできるなら迷わずいちぬけぴします。

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