部活の思い出

部活、それは高校時代のバドミントン部での日々が1番に脳裏に浮かぶ。

中学生の頃の部活は文芸部。
詩と演劇のクラブだった。どちらかというと国語は得意分野で、それはそれで楽しかった。
高校生になり、私が何故苦手な運動部であるバドミントン部に入部したか。しかも、練習、トレーニングが、その高校で、硬式テニス部に次いで厳しいとされるそのバドミントン部に入部したのか。
それは、シンプルに単純にクラブ紹介で、心惹かれたからである。
旧講堂でクラブ紹介の舞台に立ったバドミントン部の男子の先輩も感じが良かった。
ただそれだけである。15才、高1の4月半ばには早速入部して、私の青春が始まったのである。
放課後、まず堤防沿いにランニングしてから練習が始まる。往復で約3.4km。

私は先輩を皆、尊敬していた。
校内で、出会ったら、
「こんにちは!」必ず挨拶。
校庭とかで、どんなに小さく見えても、
「こんにちは!」って大きな声で挨拶。

練習にも真剣だった。
何をあんなに燃えていたのかと思う程。
同期女子5人では、交換ノートを回していた。今だったらLINEグループになるのかなあ。あの頃は、鉛筆で字を書く事、その日の思いを綴る事。みんなそれぞれ文字の特徴があった。時にはイラストも書いたり、先輩に密かにニックネームをつけたり。

それまで私は、のほほんとした娘で、親にもさほど叱られた事も無く、ニコニコ生きて来た。
そんな私がバドミントン部で、厳しく指導されて行くうちに、スポ魂なのか何なのかわからないまま、やがてクラブのキャプテンに恋心を抱く様になる。
当時流行っていた「チッチとサリー」の詩画集に共感したり。
付き合いたいなどという気持ちなど全く無く、ただただ姿を見たら幸せだった様に思う。

しかも1学年上のその男子先輩がインターハイ出場! 心から応援していた。

やがて大好きだったその先輩も卒業。
自分達の学年も2年生の秋には受験準備の為に引退。

その引退後の2年生の冬の体育の授業では、中学生の頃あんなに苦手だったランニングがスイスイと走れる様になっていた。継続の力を自ら実感したものだった。

練習は厳しかったけれど、あの時に養われた根性の様なものは、こうして時を重ね、大人になっても身について、生かされている様に思う。

私の10代、殊に高校時代の部活は、
中学生の頃、詩のクラブで、毎日の様に詩を書き、先生に添削してもらい、繊細なガラスの10代の様な心になりかけていた私の心を、とんでもなく鍛えてくれた様に思う。
私の心はパリンと割れそうになっても、何処からともなく再生してゴム毬程でも無いけれど、紙風船程度には回復してまた弾みたくなる。

高校時代の正味2年半の部活の日々は、そんな宝物を私の心にいつの間にか授けてくれていたのだ。

バドミントン部、シャトルコック、ラケットのガットの張り具合、スポーツシューズ、走る事、走る事、走る事。汗、体操服を絞ると出る汗。夏休みの練習の休憩の時、見上げた空の青さ。そよぐポプラ並木。
ハイクリアー、カット、ドライブ、ネット。フットワーク。頭脳プレー。

これからもいざという時には、心の中で、
「ラブオールプレイ!」そう呟いて、色々リセットして、新しい人生のゲームに挑んで行きたい。今も耳に残る先輩や同期からの「ファイト!」の声の応援を得て。

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