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子供の水の事故 「母親失格」だと思った私の一番辛かった経験


これからの季節 水の事故が増える季節です。

水の事故は、10分も目を離したすきに命を奪う危険性があります。

お母さんやお父さんには、子どもの心肺蘇生の方法をぜひ覚えておいてほしいと思っています。


私が一番辛かった経験

それは、子供をお風呂で溺れさせてしまったことなんです。
母親失格です。


息子が1歳3か月。

ずいぶん歩くのが上手になってきた時でした。

親子学級へ参加して 外で沢山遊んで帰ってきました。

建売の家を購入して引っ越したばかりの出来事でした。

テレビをつけて、息子に「みていてね!」という感じで夕飯の支度をはじめました。
お風呂の準備もしていました。

居間とキッチンは繋がっています。後ろ向きで夕飯の支度をしていました。
振り向くと、息子がいません。


ハッとして探すと浴室のドアが開いています。

バスタブにお湯を出していました。


そこに息子がうつ伏せで浮いていたのです。


テレビの音とお風呂の水の音、ご飯の支度の音でお風呂場へ息子が歩いて行ったのに全くきがつきませんでした。

引っ越したばかりで、浴槽の背が低く息子が手が届く危険な場所だなんて考えてもいませんでした。


うつ伏せに浮いていた息子を抱き上げて「ああ、殺してしまった」と、とっさに思いました。


顔をみると、真っ青で死んだようでした。息をしている様子もありません。
心臓が動いているのかも自分がドキドキしていてわかりません。

気を取り直して とにかく、できることをやろうと思いました。

人工呼吸だ!

親子学級で学んだことがある…

口と鼻から息を吹き込みました。

ふー!と息を吹き込むと、その息がふーと返ってくるだけ。
私の息がかえってくるだけ。息をしてない。

何度も人工呼吸をしました。

心臓が動いているかは、私のドキドキと震えでわかりません。
とにかく教わったとおりに人工呼吸と心臓マッサージを繰り返しました。


すると、水を口から吐いたのです。

みるみる顔に赤い斑点が出てきました。

これで助かったと思いました。


パパー!誰か助けてー!と言いたかったけれど。私しか息子を助けられる人はいない。

そこまで、息子から離れることはできませんでした。

次は救急車を呼ばなくちゃ。

電話へやっとたどり着きました。(30年も前のことでスマホなどないのです)

震えて電話番号も押せない。

パパには連絡がつかない。夫の経営する店に電話しました。店長さんがすぐに向かうからと言ってくれました。救急車より早いかもしれない。

すぐに119番へ連絡して救急病院を教えてもらいました。

ハサミをもってきて、濡れた洋服を切って脱がせました。

毛布にくるんで冷やさないようにして。

店長さんが車ですぐにきてくれました。そのまま救急病院へ

後から聞いた話ですが、店長さんは息子を見たときにもうダメかもと思ったそうです。



病院に着くと先生から

水を飲んで肺が真っ白です。

命が助かるかどうかが半分。

呼吸がどの程度止まっていたかわからないのでどうなるか・・・

助かっても脳細胞が死んでしまう場合があるので障害が残るかもしいれない。

と言われました。


処置が終わって病室のICUに移ったころ、パパが駆け付けました。

パパは、息子を見て ただただ泣いていました。

私は泣くことすらできませんでした。

待合室で「泣いてばかりいないで!助けることを考えて!」と、パパを怒鳴ったことを覚えています。

パパより早くおじいちゃんやおばあちゃんも駆けつけてくれました。

誰も私を責める人はいませんでした。それには、本当に救われました。



その日は、まったく息子は気が付かず、寝たままでした。

たまに看護師さんに水を肺から抜くように背中を叩かれ、苦しそうに足をあげて泣くだけでした。

看護師さんからの

「大丈夫。Babyは強いから」

という言葉だけが頼りでした。

今日は、外遊びもいっぱいしちゃったから起きないんだ。

きっとしっかり寝たら、明日には気が付くはずだ。と勝手に信じていました。


そうやって、次の日の朝を迎えました。

そうしたら、ぱっと目を開いたんです。

「ママ」と言ったのです。「パパ」パパの顔を見て・・

いつもの息子だ。助かったー!と、私は確信しました。



しかし、お医者様から言われた言葉は、「今の段階で障害が残る可能性は半々です。6歳まで様子を見ていく必要があります。」ということでした。

そこからが私の本当の子育てになりました。

その時には、二人目がお腹にいました。

こんな「母親失格」の私が二人を育てていけるのかと本当に不安になりました。



~続く~

最期まで読んでくれてありがとうございます。

まだまだ、私の子育ての話は続きます。


水の事故は10分もあれば大切な大切な命を失うことになります。
くれぐれも 子供を持つお父さんお母さんは、簡単な人工呼吸や心臓マッサージは覚えておいてください。YouTubeなどにもあるようです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQ9eVPODiL8


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