見出し画像

鈴と眠り

帰りたい
どこに帰りたいか分からないのに

心を手のひらに取り出してみる
膝の上に乗せて帰り道
高速じゃなくて国道じゃなくて県道で

帰りたい
どこが行き先か壊れたせいにして

信号で窓を開けてみる
赤なのか青なのか黄色なのか
点滅の時のようなその時に


春の夜の風は冷たくて
膝の上の心が我慢してた
震えないフリをして


もう少しだけ分からないでいたい
心を戻さないまま
あったかくあったかく

守っていたいものがあったりする


猫の鈴、

僕は取ってあげたいのかも、

春に眠る理由みたく、


帰りたい場所に眠る
猫みたい
伸びたまま眠ってしまう


守っていたいとおもってる



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?