ショートショート 可愛い子には変化をさせよ
学生の頃からモテモテだった俺の弟。
校内のイケメンコンテストではいつも1位。
数えきれないほど告白をされ、バレンタインもたくさんもらっていた。
可愛い子には変化をさせよ。
「俺は就職はしない。YouTuberになる」
家族も友達も絶対にいけるよと応援していた。
可愛い子は、みんなから愛されて、より変化をして可愛くなる。
じゃあ…可愛くない子はどうなるのだろう。
ずっと一人だった俺。
周りから気味が悪いと言われ続けた俺は、逃げるように上京するしかなかった。
上京しても相変わらず陰キャラだ。
人って簡単には変われない。
ただ家族や友達から暴言を吐かれることはなくなった。
俺は近所のスーパーでアルバイトをしながら、大好きな小説を読んで過ごしている。
久しぶりに実家に帰ると弟は益々イケメンになっていた。
しかし弟は人間ではなく、どこか作り物のような気がした。
「俺、絶好調だよ」
そう語る弟の部屋には未払いの国民年金の納付書が転がっていた。
「もしよかったら社員にならない?」
1年近くスーパーで働いてた俺は店長にそんなことを言われた。
俺は断る理由もなく、はい。と答えてしまった。
仕事の休憩中、俺はnoteというSNSを見つけた。
このSNSでみんな好き勝手に小説を投稿しているようだ。
俺も小説を投稿したくなった。
来月の給料でパソコン買っちゃおうかな(笑)
やば、一人で笑ってて気持ち悪かったかな。
まぁいいや。どうせ嫌われ者だし。
妄想が広がる。
そうだ初めて投稿するタイトルはこれにしよう。
可愛くない子は変化できない。
(638文字)
たらはかにさんの毎週ショートショートの参加しております。
裏お題 可愛い子には変化をさせよ
ポジティブな作品を作ったつもりです。
(ネガティブに伝わりませんように)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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