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親の思いを強制しないお母さん

数年前のレッスンでのTくんという3歳の男の子のお話です。Tくんは、幼稚園に入園されたのでレッスン時間が移動しました。以前までは午前のレッスンだったのですが、4月からは、園が終わった後、午後レッスンに来てくれるようになりました。幼児さんは午前、園児は午後、小学生は夕方、てな具合です。

その日もママと一緒にレッスンに来てくれたのですが、車の中で熟睡をしてしまいました。園生活というのは体力が出来てくるまで、子どもにとってはとても疲れることなのです。

Tくんは何とか起きてはみたものの・・・・眠くて眠くてぼ~っとやってきて教室の玄関を開けるのが精一杯の様子でした。そして、玄関に入るや否や

「ママ、今日はレッスンしたくない」

とポツリ。

さて、こんな状況の時、皆さまはどんな風に思って、なんと言って、そしてどんな行動をとりますか?

ちょっと考えてみてください。

Tくんのお母さまは、七田歴10年のベテランママです。

このように対応されました。

「そうなんやね。レッスンしたくないんだね。分かったわ。毎日、園で頑張ってるもんね。今日も頑張ってきたんだね。じゃ、今日はこのままお家に帰って休みましょう。先生、すみません。ここで帰りますね。また来週お願いします。」

と、さっと潔く笑顔で帰られました。


さて、この対応を見て、Tくんはどんな風に感じたでしょうか?

「いつ、どんな時でもやっぱりママは僕の味方なんだ」と改めて感じ、嬉しかったはずです。こういう小さな小さな積み重ねが「母子の信頼関係」を強くするのです。七田眞氏はこのことを母子一体感と呼んでいます。

普通、たいていはこのような対応になります。

「え~、せっかく来たのに~。何でよ!起きなさいよ!!!レッスンしましょうよ!!!」と半分寝ぼけているお子様の手を引っ張って、身体を引きずって教室に連れてきて、背中や肩を叩いて起こして、「はい!いってらっしゃい!」って無理やりに押し込んでしまう。

もっとすごい方はこういう対応になります。「え~???眠いからレッスンしないの?じゃ、もう教室辞める?眠いからといっていちいち休んでたらお月謝もったいないやん。このまま帰るんだったら、もう今月で辞めます、って先生に言うよ」と脅す。

どんな時もあなたの味方でいるよ、ということは、実はそんなに簡単なことじゃないのです。

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