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ウィーンへ その9

ティツィアーノのイザベッラ・デステの肖像

イタリアルネサンスを代表する女性。
遥か昔、ウィーンに行ったら見ようと思っていたのに当日まで忘れてた。

大学生の頃、塩野七生さんの「ルネサンスの女たち」でその存在を知った、イザベッラ・デステ(1474-1539)はマントヴァ侯爵夫人(のちに公爵)。
この本をきっかけに私はイタリアルネサンスの時代に興味を持ち(美術でなく政治抗争の方に)、卒業旅行でイタリアに行った時はユーレルパスでフェラーラとマントヴァまで足を伸ばしたなぁ。

イザベラ・デステは政治家としては戦乱と抗争のルネサンス時代、外交手腕により中小国の生家エステ家のフェラーラ(ローマ法王領)と嫁ぎ先で中小国のゴンザーガ家のマントヴァ(神聖ローマ帝国領)を守りました。

また、教養が高く、美術コレクター、芸術家のパトロンとして、小国ゆえ少ない富しか持たない彼女は着こなしやデザインでモードを作り、モードのリーダーとしても(フランス宮廷が彼女のドレスを欲しがるほど)名を馳せました。


この絵はそんなイザベラの聡明な感じが表れてると思います。が、晩年に描かれたので若い年齢の頃にするように書き直させたとか。
作者のティツィアーノはイザベッラと同時代のルネサンスを代表する画家。

今年のクリムト展にはクリムトによるこの絵の模写が展示されてましたね。絵に模写が、それもクリムトとは知らなかったので上野で驚きました。

ルーベンスのイザベラ・デステの肖像

こちらはイザベッラの没後にルーベンスが描いた肖像画。
ティツィアーノの絵より先にこちらを見ていて、現地では何も出ていなかったので何か引っかかって写真を撮ったのだと思う。
今回noteを書くにあたってイザベッラと知って驚いた。

二枚とも同じような被り物(スクフィオット)を被ってます。
この被り物もイザベッラが作らせてマントヴァの名品となったとか。
こちらに詳細があります。
https://www.nttdata-getronics.co.jp/csr/spazio/spazio69/ueda/index.html

木製容器の花々(ヤン(父)・ブリューゲル)
これは見ていいなぁと思って撮ったもの。お花がきれい。

他には有名なピーテル・ブリューゲルの「バベルの塔」、ラファエロの「草原の聖母」があり、見たことある絵だなと思いつつ見るだけで。
ラファエロは優美な絵で好きなのだけれど、なぜか写真は撮らなかった。
クラナッハやフェルメールもあったんだけど。
またゆっくりと訪れてみたい美術史博物館。

次は閉館前に急ぎでハプスブルク家の財宝がある王宮宝物館へ。

宝物館なのでどれも豪華なのですが、やはり神聖ローマ帝国の帝冠が豪勢。
こちらは10世紀のもの。

ローマ教皇から戴冠される神聖ローマ帝国皇帝ヨーゼフ2世

神聖ローマ帝国は800年、西ヨーロッパを支配したフランク王国のカール大帝が教皇レオ3世に西ローマ帝国皇帝として戴冠されたのが起源で962年の東フランク王国のオットー1世の戴冠を起源とする説もあり。
1806年、皇帝フランツ2世が解散を宣言するまで約1000年存続した古代ローマ帝国の後継。

帝国の支配地域は最盛期で現在のイタリア北部・ドイツ・オーストリア・チェコ・スイス・オランダ・ベルギー等。(徐々に縮小)
選挙制で皇帝を選出、最後の約350年は帝位はほぼハプスブルク家が独占。

帝国崩壊前の1804年、ハプスブルク家はオーストリア大公国を中心とした支配地域を再編してオーストリア帝国を形成。
神聖ローマ帝国皇帝フランツ2世はオーストリア帝国皇帝フランツ1世として即位。

ルドルフ2世(1576-1612)の王冠、王笏、宝珠
1804年以降はこちらがオーストリア帝国の正式な王冠。

オーストリア皇帝のマント
このマントをきたフランツ1世の肖像画が有名

素敵な宝石

ここの音声ガイドはドイツ語と英語だけ。日本語で詳しく知りたいなら公認ガイドさんをお願いした方が良さそう。

朝から動き回って、午後はほとんど休憩しなかったし、バッテリーも気になるしで、この日はここまでにして、夕飯はホテルの近くにしようとトラムでRennwegへ。ジェラート屋さんがあったのでジェラートを食べて、少し元気がでた。

よく見ると、Rennweg駅に隣接したお店は昨日、オペラ座の近くにあったChilaiだ。Rennweg駅の中にもお店があるので覗いて見ると、スーパーやファストフードがあるんだけど、ここのスーパーは旅行者向けの食べ物がないのが残念。

結局、近くのチャイニーズの屋台でオイスターソースのヌードルとコーラをテイクアウトにしてホテルで夕食。

疲れたなぁと思ってiPhone見てびっくり!
GPSおかしくない?

wifiの充電をしっかり確認して(昨日はケーブルの口を間違えていたことが判明)、おやすみなさい。

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