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ウィーンへ その10

翌日は午前4時に目が覚めて、眠れなくなってしまった。。
疲れてるのになんでーと悶々としつつ6時頃やっとウツラウツラしてきたので、早起きはあきらめて寝ることに。コーラを多めに飲んだのがいけなかったのか。

8時過ぎに起きてノロノロ支度して朝食を取り、ノロノロ支度。
観光は今日一日しかないんだけど、睡眠不足が尾を引く。

今日はまずホテルから5分くらいのベルヴェデーレ宮殿へ。初日に現地係員さんに聞いた話では、混雑のためそろそろ予約制に変更するとか。早い時間に行った方がいいですよとアドバイスされていたんだけど、仕方ない。

今日も暑いし、近くにスーパーを発見したのでRenn通りを渡り、まずはそちらでお水購入(シェーンブルン宮殿の教訓)と売ってるものチェック。

こちらでは押しボタンのある信号機は歩行者が押すとあっという間に信号が赤から青へ。しかも車もスピード出しているのにあっさり止まってくれる。すごい。ただ、青から赤になるのも早いので気は抜けない。

ベルヴェデーレ宮殿はクリムトの「接吻」のある人気のある美術館。上宮と下宮に建物が分かれていてそれぞれチケットが必要。両方見たい人はコンビチケットを買う必要あり。

ガイドブックには9時に開くって書いてあったんだけど、時間は9時50分。
受付が開いてなくて待ってる人たちがチラホラ。あれっ?と思いつつあと10分くらいだし皆さんと同じ様に外で待って、短い列に並んでいる間に頭を英語モードに切替え。言う言葉はコンビチケット1枚だけなんだけど、次に何を言われるかに備えないと。聞き取れないことはしょっちゅうなので緊張。

私より前の方達にドイツ語やら英語で対応していた切符売り場のお兄さん。
ところが、返って来たのは流暢な日本語。「クリムトは上宮ですよ。」とチケットの違いを丁寧に説明してくれた。驚きながらすぐに日本語で「下宮も見たいのでコンビチケットでいいんです。」と返答。お釣りをもらって「ありがとうございます。」と言ったら「どういたしまして。」も返ってきた。もはや日本語は特殊言語ではないんだなぁと実感。

やっとここのチケット売り場は下宮なので受付の開く時間が違うということに今更気付く。そういえば、ここのトラムの停留所はUnteres Belvedere
 ベルヴェデーレ下だった。近いのはベルヴェデーレ下宮。

一旦下宮の建物に入ってまずは庭園を上がって上宮へ。10分くらい。
遮るものがないのでとにかく暑いけど、緑が多いのでなんとか。

シェーンブルン宮殿ほどではないけれど、中は広い。
噴水あり。

お花あり。この頃はトップシーズンに向けて植える作業中でした。

様々な彫刻あり。こんな彫刻良く見る気がする。スフィンクス。


ベルヴェデーレ宮殿は三代の皇帝に仕えたフランスのサヴォワ公家の傍系出身の名将プリンツ・オイゲン(オイゲン・フォン・サヴォイエン 1663-1736)が代表的なバロック建築家ヨハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラントに依頼した夏の離宮。

プリンツ・オイゲンはフランス人(フランス語名は長いので省略)ですが、フランスでは芽が出ない(次男以下は何処も厳しい)のでオーストリアで士官し、フランスとは度々戦ってます。が、ルイ14世の庶子だったという説もあるそう。

プリンツ・オイゲン亡き後ベルヴェデーレ宮殿はハプスブルク家に寄贈され
、上宮(当初は迎賓館)は主に19〜20世紀のオーストリア絵画を集めた美術館に。クリムト、シーレはこちらに。

下宮はプリンツ・オイゲンの居室や特別展に使うギャラリー、奥の別棟には中世美術のコレクションが。

上宮から下宮を見ると刺繍庭園がまた素敵。


私はホテルの位置関係で下宮から入ったけど、通常は上宮から下宮へでしょう。残念ながら正門は見ておらず。

いよいよ中へ。これも豪華絢爛。自然光が入るのが素敵です。

クリムトの前にこんな作品もありました。

ベルナール峠からアルプスを超えるナポレオン(ダヴィド)
ナポレオンの有名な絵。ヴェルサイユ宮殿他何枚かあるようです。
ウィーンはナポレオンに占領されたのになぜかここに。

プリンツ・オイゲンが仕えた皇帝レオポルト1世(1640-1705)
聖職者になる予定が、兄の死去に伴い、繰り上がり皇帝に。優れた作曲家・文化人としてバロック大帝の異名もあります。その反面、対オスマン帝国(第二次ウィーン包囲も)、対フランス等の対外戦争も多く、プリンツ・オイゲンを見出し、他の名将と共に対応させています。
最初の妻がベラスケスの「王女マルガリータ」。特徴のあるお顔。

プリンツ・オイゲンはレオポルト1世とその息子たち、次のヨーゼフ1世、その次のカール6世に仕え、軍人、政治家、教養人としても一流の人物で、ナポレオンが「世界史上の七大将師」(アレクサンドロス、ハンニバル、カエサル、グスタフ・アドルフ、テュレンヌ、フリードリヒ2世)の一人に挙げているそうです。軍艦の名前で聞いたことがありましたが、将軍として名高いんですね。

ホーフブルク宮殿の広場には王族ではないプリンツ・オイゲンの銅像が建ってます。が大きすぎて写真におさまらなかったので断念。肖像画もあったようなんですけど。。。

肖像画はベルヴェデーレ美術館の公式HPで 
Prinz Eugen von Savoyenで検索するとデジタル資料で絵画が検索できます。
https://www.belvedere.at/das-museum
エピソードが色々あり興味深い人物。

追記 初日に行ったオーストリア国立図書館プルンクザールにはプリンツ・オイゲンの蔵書15,000冊が含まれているとのこと。
https://www.austria.info/jp/旅のテーマ&アクティビティ/芸術と文化/美術館・博物館/オーストリア国立図書館650年

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