好きな人に呪いをかける。
私は誰かと付き合ったり恋をするたびに小さな呪いをかける。
香り、味、癖、習慣。
特にこだわるのは香り。
人は声から忘れて最後に残るのは香りだと聞いたのとがある。だから、私は相手がずっと私を忘れないように香りを常に漂わせる。
それがたとえ誰かのものだったとしても。私は同じことをする。いつか別れてしまうのなら、せめて私を忘れないで欲しいと思う。
あの人は今日も私をきっと忘れる。
忘れて忘れて忘れて。でも、私は呪いをかけてあるからその呪いが発動した時に私のところへ戻ってくる。
自分勝手な私だけど、あなたの方が自分勝手だから罪悪感などない。
あなたがすきだから。今日も私は呪いをかけ続ける。
大切なあなたへ
忘れたりしないで、思い出してね。
私がいつかあなたの前からいなくなっても私の香り、味、癖、習慣を思い出してね。
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