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自分との約束

「やっぱり、くもんやるのは今じゃなくて午前中にやればいいや」

土曜の朝。8時過ぎにすっきりした表情で起きてきた7歳の長女は、リビングでPCを開いていた私に向かってそう言った。
私は、彼女が昨日の夜書いていた『時間割表』を思い出した。
これだ。

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よてい [土]
①めざましどおりにおきる。
②おきたら すこし くもんをやる。
③あさごはんをたべる。
④きがえる。
⑤かみをむすぶ
⑥タブレットかテレビを見るまえにしゅくだいをやる。

②の事を言っているらしい。
昨日の夜、「おきたら すこし くもんをやる」と決めたけど、起きてみたら今やらなくても午前中にやればいいや、と思ったということである。
別にくもんの宿題はいつやってもいいのだけれど、私はドキッとした。

私も、今この時の長女のように、過去の自分が決めた計画を平気で変えてしまうことがある。状況が変わったり差し込みが入ったりすることもあるので臨機応変に計画変更していると言えば聞こえはいいが、どんな小さなことだったとしても決めたことを決めた通りやらないというのは、計画に対して実行がされないため振り返りもできない。何の検証もできない。と自分に対して思っていた。

長女は私に似てしまったのだろうか…などと変な罪悪感にもかられる。

そして私は長女にこう言った。

『お友達との約束は守るでしょ。お友達が大切だから。自分も大切にしてほしいな。昨日の長女ちゃんとの約束も守ってあげて。そうじゃなきゃ昨日の長女ちゃんがかわいそうよ』

長女は、嬉しいような切ないような、口をすぼめて複雑な考えた表情をしたのちに、笑顔で「そうだね!」と言ってくもんをやり始めた。

あれ、そうか。私は振り返りができないとか検証ができないとか思っていたけど、一番は自分を大切にしたいと思っていたのかな。
自分との約束を守りたいと思っていたのかな。
長女の嬉しいような切ないような表情を見て、長女が自身を大切にできた嬉しさと同時に、私自身も大切にできた気がして嬉しかった。



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