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R先生のこと

占いのR先生に、彼のことを相談したのは去年の冬のこと。

その頃私は、瞑想中とか夢の中で、とにかく彼の気持ちをキャッチしていて、現実とは違い過ぎるそれらに、脳がバグっていた。

夢の中で抱いてくれるのも、愛してるって言ってくれるのも、全部全部、私の妄想なのではないか、そうだとすれば、あまりにもイタ過ぎる、50女の妄想だ、と、誰にも言えないまま、ただつらかった。

だから、もう泣きそうな声で相談したと思う。

お互い既婚者で、でも好きな人がいます、彼の気持ちをみてください、って。

先生は彼をみて、「心の中にぽっかりと穴があいているような方ですね」って言った。

そうなんです。
彼と出会った時、この人はつらい景色を見てきた人だ、って私にはなぜだか分かって、その時感じた、彼の孤独みたいなものを思い出した私はやっぱり泣きそうになりながら先生に尋ねる。

その穴を、私が埋めてあげたい、と思うのは、私の思い上がりでしょうか?
奥さんも、子供もいる人を。

先生は「この穴に気付けた時点で、思い上がりではないと思います」
彼の周りにもたくさんの人がいる、でも気付かない、その中であなたは気付いたんです、と。

ああ、私だったら、彼を救ってあげられるかもしれない、と思ったのは間違いじゃなかった、と私は体の力が抜けたようにほっとした。

次に先生はおそらく私をみた。

そうして、一瞬、「これは...」って固まった後、「これはお導きです」と私に告げた。



先生は、私にいろんなことを教えてくれた。

宇宙のことも、魂のことも、先生が先生の神さまと結んだ契約のことも。


私が、彼にちゃんと告白しようと思ってる、って言った時には、すごい喜んでくれた。

私が、彼とのことを書いた小説を応募しようと思ってる、賞とか取れなくても、その時はネットにあげるつもり、って言ったら、先生は私が送る文芸誌の出版社名をすぐにあげて、うわー、それ紙の本で読みたいなあ、って言ってくれた。



先日、先生に、久し振りに近況報告したいな、と思ったら、先生はもう、在籍しておられなかった。

だから、私が先生にお話することは、もうできない。

先生は先生で、別のステージに、輝かしいステージへと進んでいかれたんだということは分かってても、もうお話できないのは、やっぱり寂しい。


先生の言葉で、私の全てがラクになったり、彼とのことが一足飛びに前進したわけではないけれど、でも、間違いなく、先生は私の心を救ってくれて、そうして、こっちだよ、って、私の進む方向を照らし続けてくれていた。

それは、暗がりを照らす灯台のように。

私の目指すべき光となって。




「Risaさまは、愛について語るお役目があるようですよ」

最初の頃に先生に言われた言葉。

先生、何言ってるの、私、何の資格も特技もない、ただのパートの50女だよ、って思ってた。
何なら、私を慰めるためにそんなことを言ってくれてるんじゃないか、とまで思ってた。

でも、私が今、こうしてnoteに書いているのは、もしかしたら、愛について語ることなのかもしれなかった。



お導きで出会ったとしても、周りから見たら、ただ、年下の男に狂ってるだけ、って思われることは分かってる、私がそんなことを言った時、先生は「Risaさまと同じような苦しみをもった方が今、本当にたくさんいらっしゃるんですよ」って言った。

先生のその言葉は、自分をさらけ出すことが、不様な泣き顔をそのまんまさらすことが、いつか誰かの役に立つのかもしれない、と思えた瞬間へとつながった。



先生と最後に話した時、

「仕事がうまくいかないんです、彼氏とうまくいかないんです、って言ってる人の後ろに、ものすごい大きな光が見えることがあるんですよ」って、先生は、そんな話をしてくれた。

だから、もしかしたら、今苦しんでいる人ほど、本当は、すごく大きな光を持っていて、それは、いつか誰かを照らすことにつながる、そういう方向へと導かれていくのかもしれない、って、今の私は思ったりする。



『どんな時も、自分を信じて、自分自身を愛し続けて』
宇宙から、そんなメッセージを受け取ったことがある。

先生も同じように「感じ取ってること、決して否定しないで。妄想とかではないから。全て大切なことだから」って言ってくれた。

自分自身を信じること。
自分自身の真実を大切にすること。
この世の全ては愛であること。

先生が教えてくれたことを私は多分ずっと心に刻んでゆく。


いつか、私の書いたものが、先生の目に留まるといいな、ってそう思ってる。
















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