見出し画像

新年

世界は幸せに満ちあふれている。

クリスマスから年末年始。
家族や友人、彼氏彼女との、あったかい大切な時間。

年明けから落ち着かないことが立て続けに起きるような時代だからこそ感じる、何気ない日常のありがたさ。
家族や周りの人々への感謝。

家族が大事。
結婚して子供を育ててこそ一人前。
年老いた両親を大切にするべき。
家で介護すべき。
夫婦はどんな時も助け合って支え合っていくべき。
そうして添い遂げていくのが美しい。


そんな一般的な価値観を、これでもかっていうくらい見せつけられて、押し付けられて、そうして、そうできない自分に無力感や罪悪感を感じたり。

つまり年末年始は、私みたいな人間にはただ苦痛。
それは、曲がりなりにも母親になった今でも。


この年末年始も、やっぱり親が重荷だとしか思えなかった。
解放されたらどれだけラクになるだろう、とも。

夫や子供といて、楽しい瞬間もあるけど、あまり長く一緒にいると私は一人の時間が欲しくなる。
ただ、一人になって、自分を取り戻したくなるような感覚。


親にどんなふうに育てられようと、それはそれとして、つまりは大人になって、生み育ててくれたことに感謝すればいいのだと、頭では分かる。
誰かほかの人には私はそう言うと思う。

夫婦だって、いろんな時期があって当然で、でもそれを乗り越えて支え合っていくのが美しいこと、子供の成長を楽しみに日々生きて、成長を見届けてゆくのが最高のことなんだろう、ってやっぱり頭では分かる。

どんなにお互い老けても、太っても、ハゲても、うちの父ちゃん(母ちゃん)が一番、って思い合える夫婦ってすごくかっこいい、とも思ってる。

でも、私にはそれができない気がする。

なぜ私は、こんなにも、親とか家族とかそういうものを重荷に感じるのか。

世間一般からしたら、ろくでもないことを考えるような人間なのか。

それを、今年も考えていきたい。

自分の心の奥底の、ダークな部分から目を逸らさずにいたい。


家族への感謝とか、家族愛、夫婦愛とか、絆とか、それはそれで美しい。

でも私は、そういうの苦手な人間なのかもしれない。

苦手って思っちゃうのはどうしてなのか、切望してるからこその裏返しなのか、そういうことも、自分の気持ちを見つめていきたい。

自分の気持ち、今日の気持ちも昨日の気持ちも明日の気持ちも全部受けとめる。

自分のろくでもなさそのものに絶望したくなることもあるかもしれない。

でも、私の気持ちを受けとめてあげられるのは私だけだから。

私は今日も私のままで生きてゆく。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?