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映画 『ハスラーズ Hustlers』

2008年 9月。

「リーマンショック」。

私は まさに アメリカにいた。

2008年 9月というのは 私の人生の中で 一番最高な時期と言ってもいい頃。

アメリカでの生活にも慣れ、

自分の好きなことだけに打ち込む日々。

卒業までは残り半年。

まだそこまで焦りはない。

だからこそというか、

私は アメリカにいながらにして リーマンショックに関して

ほとんど無知だった。

私は とても恵まれていたため、

留学中の生活費などは 全て両親が仕送りをしてくれていた。

現在の 私の1ヶ月分の給料にほど近い額を 2年間 毎月送ってもらっていた。

足りない分は クレジットカードを使ってもいいとまで言ってもらっていたし、実際に使ったこともあったかもしれない。

2007年 4月。

留学した時は 1ドル120円付近を彷徨っていた。

母が毎日 円相場を見て 一番いい時に学費の振り込みをしてくれたのを覚えている。

2009年 4月。

帰国する時には 1ドル99円付近を彷徨うようになっていた。

「今 留学していたら 学費が大分安かったのにね」と母が言っていた。

毎日 円相場を見て一番いい時に学費を振り込んでもらったのに

その時の 1〜2円の変動などものともしない、

20円の変動である。

日本から送ってもらう仕送り額は変わらなかったのに、

留学当初と留学終盤では 引き出す額に1.2倍の差があった。

1万円の仕送りに対して 留学当初の引出し額は約83ドル。

それが 留学終盤では 1万円の仕送りに対して 約101ドルも引き出すことができた。

1万円につき 18ドルも増えたということは、

実際の仕送り額に換算すると 数百ドル分の差額になる。

なので、私にとっての2008年9月は、

どちらかというと 良い出来事であり、

ことの重大さにやっと気づいたのは

帰国してからなのであった。

さて、いつもどおり 長い前振りがあったところで、

映画の話。

最初は とにかく 裸のお姉さんが出てくる映画なので、

ポップコーンを飲み込むタイミングに迷うほどの余裕があったのだが。。

彼女たちがいかにウォールストリートの男性たちに復讐をするかと 企み始めたあたりで 自分の勉強不足と無知さを圧倒的に突きつけられた。

アメリカに留学していた経験によって、

アメリカの格差社会についてはしっかり認識していたつもりだったけれど、

呑気に留学生をしていた自分には まだまだ 何も見えていなかったことを 強く感じた。

リーマンショック前後で 彼女たちの働き方が大きく変わってしまったこと、

これから見る方のために 詳細は控えるが、

「100ドル札 3枚ではなく、20ドル札 3枚だった」と 回想するシーンは

かなり印象的で とてもショックだった。

それにしても、

アジア人女性は アジア人女性というだけで価値が高い。

これもまた、アメリカに住んでみないと知らないことの ひとつなのかもしれない。

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