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映画 『パーフェクトブルー』

(今回は ネタバレを含んでしまっているので
もしも これから映画を見る予定の方は ご注意ください。)

これは まさに「もう一度見たくなってしまう映画」だ。
実は今もこれを書きながら 2度目を再生してしまっている。

というのは、あまりにも思った展開と違ったからである。。

映画が半分を過ぎた頃から 主人公の精神が どんどん崩壊していく。と同時に 主人公が出演している劇中劇の内容が現実と絡んできたり 時間がループしていったりして 見ている側もどんどん混乱していく。
そして序盤から出てくる 明らかに犯人っぽい人物が 犯人ではないことが判明するのだ。もう一度見たい理由は ここである。改めてもう一度見ても 時間のループに関しては依然よくわからなかったりするが。。。

人が自分に対して抱いているイメージというのは、自分が自分に対して抱いているイメージと異なることが多い。まして、自分が人に抱いてもらいたいイメージというのは そこからさらに大きく違ったりする。

この映画の場合は 多くの人間が 主人公のイメージに対して操作し 関与する。
「アイドルのイメージを脱却させる」ために 過激な仕事を容赦なくこなさせる社長。
「アイドルのイメージを壊させない」ために 主人公を汚そうとする人間を容赦なく排除していくマネージャー。

一般的に見て どう考えても マネージャーの方が悪ではあるが、それは 彼女があまりにも多くの人を殺害し さらには 主人公自体も殺害しようとしていたからであって、本当は社長の方が悪だったりするのかなと思ったりする。
というのは 主人公自体が アイドル時代の自分の亡霊に取り憑かれているのが 明白であり、アイドルへの未練があるように思えるからである。

しかし、映画の一番最後では その頃の主人公も完全にいなくなっている。
「私は 本物だよ」という 主人公からは 以前の表情や声が消えていて 非常に偽物っぽくなってしまっているのだ。
それこそ 今までの全てが嘘だったのかと思ってしまうくらいに別人なのである。
主人公のイメージを一番大きく変えたのは 主人公自身。それが良かったのか悪かったのかは わからないが、マネージャーが必死で守ろうとした アイドルイメージが 最後の最後で 跡形もなく消えてしまっていたことが この映画の中の1番の恐怖だったように思う。

この映画ができたのは 1997年のようだ。
1997年というと ちょうど モーニング娘。さんが デビューした頃だったかなと思う。現在のアイドルのイメージで 見始めると、一番最初のライブシーンで若干 違和感を感じるかもしれない。現在のアイドルと比べ 歌声があまりにも大人なのである。。。

プラス、ストーカーの声が思ったより高かったのも やけに印象に残った。

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