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映画 『ダンス・ウィズ・ウルブズ Dances with Wolves』

1863年。西部開拓時代のお話。
3時間の歴史映画ということで 見始めるまでに若干の覚悟がいるかもしれない。

西部開拓時代については 大学生の頃に勉強したことがあった。この時代のアメリカの地図がどんどん広がっていく映像があるのだが、これはまさに圧巻である。ただし、この地図が広がっていく過程には 必ず先住民族との戦いがあったことを忘れてはいけない。

物事は どこから見るかによって変わる。この世の中は立方体のものばかりではない。上から見ると正方形のものも横から見たら長方形なのが普通だ。

この物語では 元々先住民族と戦う立場にあった主人公が 先住民族と交流を持ち 先住民族の一員にまでなっていく様子を描いている。主人公が最初に先住民族に持っていたイメージと実際の先住民族は あまりにも違った。もちろん先住民族にとってもそうだ。お互いに 全く言葉がわからない状況でも ジェスチャーや表情を通して通じ合っていく場面には すごく引き込まれる。お互いを敵だとしか認識できず 有無を言わさず殺し合いをし、最終的に入植者が勝利したいうのが歴史的事実であるが、もしも言葉が通じ合えていたのならば もっと違う形で もっと上手く共存できたのかな、と思ったりする。もっとも、もし そうだったとしたら 今のアメリカはないのだが。

1863年というと 日本では幕末にあたる。世代で言うと 私の祖父母の祖父母の世代の話だ。そう思うと 実はそんなに遠くもないように聞こえるが、戦争から遠い私たちの世代からすると しっかりとした会話もせずに 領地の取り合いで殺し合いをするとは、この頃はまだ 心の進化が完成していなかったんじゃないかとすら思えてしまう。しかしそれもまた 物事を どこから見るかによって違う考えになるのだろう。祖父母の祖父母から見たら、私たちの世代がしていることこそ とんちんかんに思うことがあるはずだ。

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