雨が降ればいいのに
「雨が降ればいいのに」
下着姿でベットに大の字に寝転びながら、ぼそっとつぶやく彼女。
彼女のお腹をつーっと指先でなぞりながら、天に向かって長く伸びた彼女のまつ毛に視線を向ける。
「せっかくのデートなのに?」
「うん、前回のワールドツアーぶりだから…3ヶ月ぶりのデートだ」
彼女は窓の外の夜空をながめているのに、どこか別の何かを見ているような遠い目をしている。
ふと、心の奥底に生まれでた感情を押し殺すように、じわっと赤く染まった彼女の頬を優しくこちらに向けると、ゆっくり視線が絡む