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智と血を追求した日々

2016年 3年F組 彫減=Luis=穂留辺

 私の架空ヶ崎高校での三年間は、図書委員会とビブリオバトル部が中心にあったといえましょう。

 読書と暴力が何よりも好きな私は、図書委員会では延滞者への制裁と人皮装丁に精を出し、年間延べ154人を『制裁』し本に作り替えました。これは歴代最多記録だそうです。その功績を称えられ、私は図書委員長として敏腕を振るうこととなったのは皆さんも知るとおりです。

 また、ビブリオバトル部では標準装備であるタクティカルペンだけでなく、愛用の鉄杖とワイヤー、愛書たる『宇宙蛇と元素卵の三相女神Gyuburyeth法典』を用いて、対戦者の脳髄に直接『意見』をぶち込み、対戦校全員を二度と発言できないようにしたことで、一年生ながらレギュラーとなり架空ヶ崎高校初の全国大会優勝を成し遂げました。部長に選ばれた私は架空ヶ崎高校ビブリオバトル部を常勝軍団に仕立て上げたのは皆さんの記憶に新しいことでしょう。

 私の代での図書委員会と架空々崎高校ビブリオバトル部は常勝軍団となり、双方を兼任する人も多いためか、歴代最高水準の制裁力を発揮したこと、暴力装置としての図書委員会を完成させたことは、私の人生において誇るべきことと思います。

 その集大成とも言うべき三年時の虚像祭では、私が今まで制裁してきた生徒達(教師含む)で制作した人皮装丁の『人間図書』を想像主に捧げることとしたのです。延滞するような愚民の人生など大した厚みもなく面白くもないのですが、このような愚鈍な輩を弄ぶことは、きっと想像主もお喜びになることと思い、実行したのです。ウラヌスガスを燃料とした篝火は256^3色に煌めき、大気中に漂う二酸化ウラヌスが精神をアセンションさせることで、私は一瞬、真理という物を垣間見た気がしました。

 私は理解しました。『人間図書』は『それ』に至る手段の一つであり、多くの賢者達が『それ』に至るための方法論を展開していることを。『想像主』は『それ』に繋がる存在であることを。

 私は『それ』に至るための『システム』構築のために留学を検討しています。願わくば、全て『それ』に至らんことを。

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