【マリオオデッセイ】ノコノコレースRTAの走り方【Koopa Freerunning RTA】

1. はじめに

こんにちは。

今回は、最近ノコレ勢の間で流行っているマリオオデッセイRTAのサブカテゴリのひとつ「Koopa Freerunning RTA」の走り方について書きたいと思います。
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2. Koopa Freerunning RTAとは

あらためて、このカテゴリについて説明します。
Koopa Freerunning、つまりノコノコレースをすべてクリアするRTAです。ノコノコレース(以下ノコレ)はストーリークリア後に挑戦できるミニゲームで、一部の国(雲・奪・月裏・月もっと裏)を除き各国に存在します。
計測のタイミングですが、最初のノコレがスタートした瞬間にタイマースタート、最後のノコレでゴールテープを切った瞬間にタイマーストップです。2023年5月21日現在の世界記録はheytherecoolの18分09秒。
クリア済みデータを使用しますが、チャートの都合上、ストーリー攻略時の国選択の分岐に注意しなければならないので、Any%のクリアデータは使い回せません(以下で説明します)。

3.準備編

クリア後のデータを使います。データの準備において気を付けたいのは次の各項目。

◆できる限りDL版(本体に保存)を用意すること。
パッケージ版で走っていた頃に検証したことがありますが、25秒程度変わります。Anyより余裕で重い差です。僕はKFRTAがきっかけでDL版を買いました。

◆ストーリー攻略中の国選択分岐で、「森→湖」の順に攻略すること。
この分岐で選んだ国によって、一部の国の絵画のワープ先が変化します。雪と海に関しては下記で「最悪どっちでもいいよ」と解説していますが、「森→湖」は必須レベルです。

◆現世界記録とチャートを揃えたいなら「雪→海」の順で攻略すること。
ここは逆で攻略してもやることは同じなのでタイムには影響しませんが、絵画のワープ先が変化するので多くの記録動画からチャートを組み替える作業が必要です。ちなみに、りるれの18分24秒の記録動画は「海→雪」で攻略したデータを使用しているため、世界記録と逆チャートになっています。

◆ノコレ間の移動のために必要な中間旗を回収しておくこと。
ノコレに最も近い旗や、絵画前の旗が該当します。

◆通す際に中間旗を使用する場面が多々あるため、邪魔になる中間旗を極力取らないこと。
例として、クッパの国の「クッパ城 弐の壁」の旗を回収してしまうと、ノコレ最寄りの旗「クッパ城 天守下」を選択したいときに誤選択してしまうリスクが発生します。

◆各レースのパワームーンをすべて回収しておくこと。
1つの国に「○○の国 レギュラーカップ」「○○の国 マスターカップ」の2枚ずつが存在するので、通す前にすべて回収しておきます。マスターカップはいわゆる強化版ですが、だいたいは「月の石」を解放しないと挑戦できないので、各国のストーリーと月の国のクッパ戦をクリアしておく必要があります。もし通し中にムーンをもらってしまうと、オデッセイ号から国選択をするときにムーン投入演出が入ってしまいます

※多くの国で、月の石を解放しなければマスターカップのムーンはそもそも出現しないので、逆にいえば月の石を解放しないならマスターカップのクリアは不要になる場合もあります。が、この次の項目を達成するために解放することになると思います。

・「月の国 もっと裏」をクリアしておくこと。
現行チャートでは、帽子の国のノコレをクリアした後、オデッセイ号で月の国へと移動します。このとき「月の国 もっと裏」をクリアしておくと、帽子の国から左へ「帽子の国→キノコ王国→月の国 もっと裏→月の国 裏→月の国」と画面端を越えてカーソル移動することができて有利です。
「もっと裏」はパワームーン500枚で入場可能になります。ムーンを集める作業は大変ですが、各国のノコレを練習していればコインが勝手に貯まるので、簡単なムーンだけ集めつつコイン100枚で1枚ムーンを買うのも手です。ヒントアート(各地に隠されたドット絵)も利用すると○。

4. チャート・アプローチ

ストーリーを「森→湖」、「雪→海」の順で攻略し、「月の国 もっと裏」をクリアしている前提で解説します。KFRTAの通し動画を見ながらメモ的に読んでもらえるとわかりやすいかと思います。
単体TAのアプローチとKFRTAのアプローチで異なる部分が多々あります。極力言及していますが、最終的にはKFRTAの通し動画(単体TA動画は×)を見て真似する形で練習してください。

heytherecoolの世界記録の動画↓

りるれの18分24秒の動画(WR+15s)↓
!海の国と雪の国の攻略順がWRと逆なので注意!

下記チャートはheytherecoolの方に合わせて解説しています。細かいアプローチが異なる場合があります。

◆都市の国
LiveSplitのタイマースタート値を-2sにしておいて、ノコレのスタートカウントダウンの「2」に合わせてタイマースタートすると○。
開幕左奥のポール以降は、右に進むルートの方がRTA的にはいいです。一発通しの安定感・キャプチャ回数節約の観点からですね(ノコレ単体の記録狙いではキャプチャの演出の間はタイマーが止まりますが、RTAではキャプチャの演出中もタイマーが進むので、キャプチャをするだけで損をすることがあります)。
右ルートラストの三段ジャンプがうまく踏み切れなかった場合は、ビルの左側の面に刺さっているフォークをキャプチャしてゴールまでのぼる方針に切り替えましょう。うまくリカバリを決めれば1秒ロスくらいで済みます。

◆砂の国
都市ノコレの後、マップ南東の隅にある旗にワープ。絵画を通じて砂の国へ移動します。
砂の国の絵画から出たら右手前へ帽子投げダイブして、そのまままっすぐ転がっていきます。
基本的に絵画から出た後しばらくはマップが開けず、それゆえワープも不可能なので、物理的に次のワープ先へ近づくことで時間を潰します(ワープ先に近づくことでワープの所要時間がどのくらい短縮できるのかは未検証)。
マリオの体力などのUIが表示されたらマップが開けるようになるので、北西のノコレ前の旗までワープ。ノコレをクリアします。通常のノコレのルートで問題ありません。
転がりで地面から浮いている瞬間にマップを開くとワープできないので注意。マップを開く前は転がり入力は止めておくといいでしょう。

◆森の国
砂の国のノコレをクリア後、マップ南西の浮島へワープして森の国へ移動します。森の国の絵画から飛び出したら手前側、足場を降りた先にちょうどノコレがあります。
ノコレの仕様として【ノコノコに話しかけたあとすぐに始まるレース】と、【レースの中でリトライを選んだあとに始まるレース】とでは敵のロードタイミングが異なり、ノコレ単体のTA動画では後者のレースが使用されている場合ほとんどです。
森の国もこの敵の動きの違いの影響がモロに出るので、KFRTAのためにTA動画を参考にすると「思ってたのと違う!」となります。注意。
森の国の初回レースではセノビーがすべて最初から出現しているので、そばを通る場合は接触しないように注意しましょう。
レースが終わったらマップですぐ東の絵画エリアにワープ、海の国へ向かいます。

◆海の国
海の国に入ったらマップ中央のグラスの中から始まるので、B連打で水面へ向かい、真右に崖つかまりからよじ登ります。スピンヒップとベクトリングで北東のノコレへ向かいます。
海の国のノコレは海底から始まります。カウント2のタイミングでカメラを左に向けるとプクプクの周期がちょうどよくなります。
ラストの岸壁はホースイの上昇高度の限界があるので普通に登りきることはできません。一度中腹の斜面にホースイを着地させる必要があります。うまい人は斜面をこするだけで着地判定を拾ってヌルっと上昇してますが、KFRTAではハナから一度がっつり斜面に着地するつもりの方がいいです。
ゴールしたらマップ南西の絵画前へワープ。右に絵画があります。

◆クッパの国
絵画から出たら壁に沿って左手前へダイブ。地形もややこしいので無理せずワープ可能になるのを待ちましょう。上級者は絵から右奥へ移動し、とりあえず電線をキャプチャ。何秒速いか知りませんがみんな電線をキャプチャするなりマップを開いてノコレまでワープしています。
ここのノコレはかなり長いので、大きなミスなくゴールできればOKくらいの気持ちで。最初の足場から遠く奥の方へ降りるときも転がりでドンドン降りてOK。自信のある人はキャンセル投げからベクトリングで飛距離を伸ばしましょう。着地硬直は着地直前ダイブで回避し、奥の電線までまっすぐ転がり。19秒台前半が出たら十分上級者でしょう。
道中は見たまんまとして、最後のクリボー地帯はおとなしく幅跳びアプローチで行きましょう。電線から即ダイブ、一瞬後ろに入力して速度を落とし、すぐまた進行方向に切り返して幅跳びすると、ほんの少しだけ速度が落ちたことで足場の上から幅跳びできます。一瞬後ろに入力するのをやらないと、かなりの確率で幅跳び前に奥に降りてしまいます。
幅跳び後の三段はちょいちょい小ジャンプにしてマックス飛距離を出さないように。確か大ジャンプで進むとちょうど壁部分にマリオが当たって速度が無になります。
ゴールしたらマップ南東の浮島にワープして雪の国へ。

◆雪の国
絵画から真左帽子投げダイブ、そのまま転がって進みます。真正面にノコノコがいるので、斜面に抵抗しながら転がって進みましょう。
ここは大方TAアプローチどおりですが、難しい場合は正面にスピンヒップで降りた先にいるプクプクをキャプチャして、泳いで右奥に進めば上昇気流でゴールにたどり着けます。
ゴールしたらマップ南西の浮島へワープ。絵画でキノコ王国へ。

◆キノコ王国
絵画から出たら右へ帽子投げダイブ、そのまま転がってノコレの方へ進んでいきます。なんやかんやいろいろと障害物があるので、ぶつからずに進む自信がないなら途中で転がりをやめてジャンプで速度を維持して進みましょう。
ここもTAの現行最速アプローチはオススメしません。一昔前の左ルートで、もし不安ならガッツリ坂を走って登ってもいいです。そんなに差がつくコースではないです。
ゴールしたらマップ南端の浮島へワープして料理の国へ。

◆料理の国
絵画から出たらすぐ絵のかかっている壁に向けて帽子投げ、目の前の壁にのぼってなるべく画面奥へ転がります。マグマに落ちないよう注意。
ワープ可能になったらマップ北西の中間地点「山頂ルート 到着口」にワープ。画面左手前側へスピンヒップで転がり降ります。適当に着地硬直を避けてノコレへ。
ここは特に単体TAとは違う動きなので必ずKFRTAの動画を参考にしてください。初動のキャンセル投げマグマ渡りもしませんし、道中のバブルもキャプチャしません。マグマ渡りは慣れていないと成功率がかなり低いし、バブルは便利ですがキャプチャする方が遅いです(キャプチャしない登り方がどうしても難しい場合は、実際に比べてみて自分の中で速い方を選びましょう)。
ゴールしたらマップ南東の浮島から湖の国へ。

◆湖の国
絵画から水面まではジャンプ4連打で到達します。その後のジャンプで水面から飛び出せるので、グダらないように覚えておくと○。
これが最後の絵画移動になります。以降はオデッセイ号です。

ジュゲムやクリボーをキャプチャしないように段差から飛び出し、やはり双眼鏡をキャプチャしたりランキングボードに話しかけたりしないように注意しながらノコレへ。
湖の国で気を付けることはクリボーや壁に激突しないルート取りです。クリボーはリトライ時と違う動きなので注意。いつもより左側イン攻めになると思うので、壁に激突しないように注意しましょう。キャンセル投げ帽子踏みアプローチでも三段飛びベクトリングアプローチでも○。いつもより余裕をもって進み、確実に足場に乗れる高さを稼ぐことを意識。
ゴールしたら、すぐ後ろのオデッセイ号で2つ右隣の失われた国へ。

◆失われた国
オデッセイ号を降りたらすぐに画面手前側にスピンヒップ。ちょうどスピンヒップ1回分のところにノコノコがいます。
初動は無理せず4転がりでOK。転がり帽子踏みも無理にする必要なし。キャッチジャンプからしっかりスペシャル技で高さを稼げば向こう岸に届きます。
コーナートリプル(中腹にて、二段で壁を避けながら向こう側で三段を出す技)はやるだけやってみてミスったらリカバリでも○。とにかく落ちないように注意。特に二段中に壁キック待機状態になったときが一番パニクります。
スイッチ後、壁キック地帯のラストに帽子投げダイブで頂上に登りますが、このダイブで激突をやらかすと本当に終了します。かなり余裕をもって高さを稼いでおきましょう。
ゴールしたらノコレの位置から真左にスピンヒップ。オデッセイ号があります。左へカーソルを動かし帽子の国へ。

◆帽子の国
オデッセイ号を降りたらマップを開いてタワーの上へワープ。
中間地点についたら左方向へスピンヒップ、下り坂などを利用して速度を出したら大ジャンプをつないで速度を維持しながらノコレへ。

初動は単体TAの真似よりも、「正面にスピンヒップ→走りに移行したら60度くらい右に曲げて跳び出して空中で左に曲げてベクトリング」みたいな動きがいいです。僕の記録動画でそんな感じの動きをやってますが、右に曲げるのが甘すぎてベクトリングが全然やり切れてません。チキらず思い切り右に跳びましょう。
ゴールしたらオデッセイ号にワープ。国選択のカーソルは左へ(月の国もっと裏が未クリアなら右へズダダダダっと)。ラストの月の国へ。

◆月の国
最後の国で最難関です。オデッセイ号を降りたらまずは北西のノコレ前へワープ。
ノコレの初動は、とりあえず左下の一番近いロケットフラワー(以下、花)の前に着地出来れば何でもいいです。単体TAでキャンセル投げを踏み切ってる位置よりもう少し奥から転がりのまま左に逸れていく形で降りて、距離が足りなければ適当にスペシャル技とかでOK。もちろん速さを求めるならTAどおりに。
このコースは花の効果を切らすとグダグダ確定です。花の性質として覚えておくべきなのは「前の花の効果が残っている状態で新たに花を回収すると前の花の効果も復活する」ということ。たとえば1本目を拾って9割使った状態で新たに1本回収すると、前の花の効果は残りの1割、ではなく新品に化けます。新たに拾った1本と合わせて2本分の効果を手にしたことになります。これを利用して、終盤まで花の効果を持続させて走り切ります。

TAの現状最速アプローチは花の持続時間を限界まで利用していて、1回で再現できるかというと4ぬほどシビアです。ここもKFRTA特有のルート(かなり前のTAアプローチだが比較的安定するもの)を使いましょう。必ずジャンプや帽子投げの角度・タイミングをすべて覚えてください。ベクトリングを使いまくるので、「進みたい方向と現在地の位置関係から、踏切角度の逆算を行うセンス」も磨いておくとミスしにくくなります。
ラストの三段は、あえて速度がある程度落ちた状態で二段を出す必要があります。そのため、花の維持し過ぎにも注意が必要です。いつもなるべく同じ動きができるように練習しましょう。
ゴールしたらタイマーストップ。GG!

5. まとめ

以上、Koopa Freerunning RTAの解説でした。
速い人だと20分かからないくらいです。ノコノコレースは好きだけどRTAはちょっと…という方、Any%も飽きてきたし別なカテゴリやりたい…という方、今KFRTAかなりおアツくなっております。いかがでしょう…。

何より、現在アクティブなオデッセイ走者にはノコノコレースTA出身の人が多くいて、ノコノコレーサー(単コースTA走者)の出現を待つ声も多いです。りるれ自身もノコノコレース出身で、Any%のための基礎動作としてノコノコレースを推すこともあります。コース単体で見るとTAとしてもやることが限られていて、それをRTAで応用する機会もそうそうないように見えますが、僕はノコノコレースをやってなかったらAny%1時間切りとかそんな領域には来れてなかったです。基礎動作の経験値溜めとしては最高のツールでした。

みなさんもぜひ、この機会にKoopa Freerunning RTA、もしくはノコノコレースを始めてみてはいかがでしょうか。

わからないことがあればどこでも何でも聞いてください。

というわけで、よきKFRTAライフを!

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