踊る遺伝子

4歳からクラシックバレエを習っている。
ピアノやサッカーも習わせられたが、どれも中学生になる頃には飽きていた。
唯一アラフォー前の今まで続いているのはバレエだけだ。
社会人になるまでは私にとってバレエが「部活」だった。
礼儀や協調性や共に踊る仲間・・・部活で得るものはどれもバレエで得た気がする。
幼少期から学生時代まで通っていたバレエ学校はプロではなかったものの、
教室は非常に広く、多い時は年間に3~4回発表会やフェスティバルなどがあり、
プロの男性ゲストも複数呼んだりと、アマチュアのバレエ学校にしては
プロ並みの贅沢な体験をさせてもらえた。幸せで貴重な体験だったと今でも思う。

大きくなってきたら通常のレッスンをサボリがちになったりはしていたけど、
発表会の練習の期間だけは頑張って通えていた。舞台が好きだった。今でもそうだ。
舞台に出る直前。自分の曲の音楽が鳴った瞬間。あるいは板付きで照明が付いた瞬間。
緊張感と高揚感が一体となり、アドレナリンが駆け巡る。
ある意味この瞬間が一番好きかもしれない。
舞台に出ると照明は眩しく客席は見えない。
踊りはアッという間に終わる。何ヶ月も練習してきてたった一日で終わる。
寂しいけれど、何事にも代えがたい快感と解放感は病みつきになり、
また舞台で踊りたいと思う。

未だに全然上手くはなってないし、スタイルもバレリーナとは程遠い。
運動神経も悪い方だし、身体を動かすのは今でも億劫だと常々思っている。
ロマンチックな性格とは程遠いし、バレエダンサーもあまり知らない。
そんな自分だけれど、身体が動く限りは細々と踊り続けていきたいと思う。

余談。5歳上の兄が大学時代に突然フラメンコを始めてそのまま
プロのフラメンコダンサーになったのはさすがに驚きすぎて笑った。
それまで様々な運動系の部活をやってはいたけど(剣道や柔道や陸上)
まさかダンサーになるとは思っていなかった。
ちなみに祖父は狂言師だった。ウチの家系は踊る遺伝子が流れているらしい。

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