漫才師と殺し屋【前日譚】
1.始まりの夏
「今朝な。ヘソのゴマいじってたらな。1mくらい出てきてん。」
「1m?!嘘やろ。てかきたなっ!お前のヘソどうなっとんねん!」
「もうあかんわ。俺多分死ぬんやわ。」
「えらいこっちゃやん。そんなんはよ病院行けよ。」
「それがな。それ、よーう見たらヘソのゴマやなくてゴーヤやってんけどな・・・・・・」
「まてまてまてまて。」
小四の夏休み真っ只中。俺はテレビの中の一本のマイクの前で喋り続ける二人の男をかじりつかんばかりに見つめていた。
金髪で目つきの悪い太った