Pants-so-net


靡いた先につぶらな足が二本生えていた
今月も卵は生まれ落ちて
孵ることのない未来を悲観した
魚からの進化を身籠る夢をみて

捕えられぬ風で逆上がりをしてみたが
一回転の遊泳などは夢物語りで
物干し竿に巻かれたタダの布切れが
乾かぬことを責められるだけの午後で

その形状さえも誰からも識別されない
ボロ雑巾と化してしまわぬうちに
折り目正しく生きねばならない
坂下りの風を浴びせるように

ふたつの穴を抜けていく
足よりも先に須らく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?