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視覚、を囲む

しかく(い)箱から箱へ慌ただしく渡るしかく(い)箱の入り口には
しかく(い)箱がついていて
わたしの名前のついた郵便物が
時々入っている
大抵わたしを知らない人の
高揚したフォントは読まずに棄てる
魚の尾と野菜の切れ端と共に
車輪のついた箱で回収されてゆく

わたしも車輪のついた箱で、わたしの家ではない箱に向かい
たいていは目の前の電子式の箱と会話をしている

箱まみれだ
はみださないためには囲わなければならない
エントロピーがちいさく、まめつぶみたいなあおい声で呼ぶ
逃がさないために名付けた鳥だから

名札の両端が欠けている
自分の名前だけは はみ出して
きれいなしかくで箱に出来ない

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