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ふとした記録

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アラフィフのおんなが書いている日々の記憶です。 ささいな日常の手触りを思い出すための記録です。
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”綺麗”と”綺麗ごと”のあいだをつなぐ~「町田くんの世界」

「綺麗」は濁りや穢れのないさま、 「綺麗ごと」は見せかけだけの体裁で実質が伴わないさま。  年を重ねるにつれ、綺麗なものも「綺麗ごと」に見えてくる。  特に選挙期間中である今は、実現が不可能そうな理想論を聞いては「そんなこと言っても現実はねえ」とツッコむ自分もいる。  かといって、理想を否定してばかりいても、何も良くなってはいかない。  「町田くんの世界」は、ちょっと斜に構えた子どもたちや、汚さに慣れてしまった大人たちが、町田くんという無心な男の子と出会うことにより少し

半歩進む勇気をくれる「バースデーワンダーランド」

 予測しないタイミングで知り合いと一緒に電車に乗るのが苦手、なときがある。  一緒にご飯を食べるのも、おうちに遊びに行くのも楽しいし盛り上がるのに、ふと同じ電車に乗り合わせたときに「あ……」ってなる、宙に浮いた空白がなんとなく居心地が悪い。  フィットするときはいくらでも側にいられるのに、ぼんやりとした居心地の悪さを感じてしまうと、無性に一人になりたくなる。  だからといって人付き合いが嫌いなわけではなく、むしろ好きな方だと思う。社交的なのか孤独が好きなのか、他者との距離