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「寄り添う」よりも、「そこにいる」ことが大切かもしれない

「寄り添う」よりも、「そこにいる」ことが大切かもしれない
サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ・その16

※長く勤めていた精神科病院を退職し、“街の心理士”へと華麗なる転身?を果たした「りらの中のひと」が、心理学やメンタルヘルス、日々の出来事などについて、感じることを綴っています。

 病院を退職する直前の、患者様とのやり取りを懐かしく思い出しつつ、記事を書いているのですが、些細な気づきを記しておきます。短めです。

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 とある患者様が、「りら(私のこと)さんが、いつものソファーでぬいぐるみ抱いて、ぐてーっとしているから、何となく隣に座って、何となく話をしたりして。そういうところが話しやすかった」と仰ってくださって。

 それが大切なんだな、と改めて気づきました。患者様よありがとう。

 よく「寄り添う」といいますが、寄り添いに出向くことは、患者(クライエント)様にとっては、時に大きなお世話になってしまう。特に、こちら側に何らかの危機感があって、さりげないふりして勢い込んで出向く時に、裏目に出がちなのです。

 それよりも、とにかくいつもの場所にいて、「何かあったら遠慮なく話してくださいね、受け止めますよ」と言うほうが、言われた側は安心なのですね。突然、土足でずかずか踏み込まれる心配が少ないから。

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 やれ「アウトリーチ」だ、「ニーズを掘り起こすんだ」と勢い込み過ぎず、いつもの場所で居続けること、しっかり受け止めることを大切にしよう、と思います。ぼちぼちと、ね。

(おわり)

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