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「街の心理士」は、金魚鉢の金魚が“あっぷあっぷ”していたら、どうするか

「街の心理士」は、金魚鉢の金魚が“あっぷあっぷ”していたら、どうするか
サイコロジー・メンタルヘルス&日々のあれこれ・その3

 金魚鉢の金魚が、水面まで上がってきて、口をパクパクし続けている様子を見かけることがあります。ふだん金魚(に限らず、多くの魚類)は、えら呼吸をしているのですが、それでは換気が間に合わず、水面から直接空気を吸って、呼吸の助けにしようとしているのです(ちなみに、水面に浮いているえさを食べようとしている時にも、同じような行動をしているように見えます)。

 “あっぷあっぷ”している金魚は、苦しそうです。さて、私たちはどうしますか?

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 「金魚がもっと楽に呼吸できるように、えら呼吸を鍛えなければ!」(えら呼吸を鍛える方法があるのかどうか、私は知識がありません笑)とか言うでしょうか?

 「酸素の少ない環境に適応できるように、金魚を治療しないといけない!」とかいうでしょうか?

 はたまた、「かわいそうだね、でも金魚の自己責任なんだから、我慢しないとね」「“金魚鉢ガチャ”に外れてしまったんだから、仕方がないよね」とか言うでしょうか?

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 では、「待ちの心理士」なら、どうするのでしょうか。

 「金魚さんが本当に困って、自分から相談室に相談に来たら、相談に乗ってあげますよ」とでもいうのでしょうか。

 金魚が心理相談室に相談に訪れることはありません。でも、相談室を訪れることができず、地域で“あっぷあっぷ”している方の姿が見えていない心理士さんは、結構多いと思います。

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 「街の心理士」なら、どうするのでしょう。

 きっと、金魚鉢のところまで出向き、金魚鉢の水と金魚の様子を見ます。で、金魚鉢の酸素が薄いと見立てれば、エアレーション(ぶくぶくと空気を水中に送るポンプ)をかけてあげたり、もっと大きな水槽に移してあげることを考えるでしょう。

 当然のことです。「街の心理士」として、そんな、当たり前のことをしたいのです。

(おわり)

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