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今までの経歴で学んだ事

私の今までの経歴は看護師として就職して15年。
新生児から100歳を超える高齢者までさまざまな年代の方を看護させていただきました。

それぞれの年代や疾患の分野によって私にとって学びの多かった分野をまとめると3つあります。

ひとつはNICUでの新生児看護での学び。
ふたつめは癌などでの終末期看護からの学び。
みっつめは高齢者の認知症看護からの学びです。

NICUでは初めて低出生体重児を見ました。普段の生活では会うことのない存在で、クベースに入ったその姿は最初は本当に触れるのも怖い存在でした。
でも小さいのに爪がしっかりあったり、ちゃんとお腹が空いたら一生懸命泣いたり、吸啜反射で口を動かす様子などを見ているうちにちゃんと人間でちゃんと生きていることを感じ、弱々しさと同時にとても頼もしくも感じました。生命力の塊である新生児の生きる力をサポートできることは本当にありがたいことでした。
自分では症状を訴えることのできない存在だからこそ、注意深くバイタルサインを読み取り、全身状態を観察していくことの大切さを学びました。


終末期看護からは明日があるとは限らないという事を学びました。日々の業務に追われ忙しい中で、患者さんから洗髪を頼まれ、どうしても業務の都合で出来なくてまた明日と約束をした次の日に急変して洗髪どころじゃなくなった事もあります。
便が出ないという患者さんの摘便をして、泣いて喜ばれた事があります。
終末期で在宅調整をして退院したらディズニーランドに行く事を目標にしていた患者さんが、退院後ディズニーランドで急変して近くの病院で亡くなったということもありました。
明日があるかわからない患者さんたちの大切な一日を過ごしているということを忘れずにケアを行うことの大切さを日々実感しました。

認知症看護は、今働いている病棟はとくに、腎臓内科、代謝内科で慢性期の患者が多く、同時に認知症の患者さんがとても多い病棟です。認知症と診断されていなくても高齢のための認知力の低下がある方が多くて転倒リスクに対する対策や、大声を出す方への関わりの方法などを日々話し合って関わっています。自身の入院理由や自己の状態を理解出来ない方の入院生活は本当に大変です。在宅退院調整の為にケアマネや訪問看護との連携が必要でそうした連携の大切さを学びました。

患者さんから学ぶことは多く、看護師という立場で一見、指導的な立場にはありますが実際は患者さんの方が良く知っていたり、分かっていないように見えてちゃんと話を聞くと実はよく分かっていた。という事も多く、指導をするというよりも患者さんの知識と認識を確認して、その必要性を定着させる。ということの方が大切だなと最近は感じています。

そうした経験から、「相手の話しをよく聞く事」という私の看護観に繋がっています。認知症の方でもいっけんぼーっとしていて全然話さなそうな方がしっかりと座位姿勢を整えて目を見て話しかけると普通に会話出来たりする事もあります。
業務に追われ時間が無い中でも患者さんの話しを聞きたい。それが私の看護観です。

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