見出し画像

"コンプレックス"は、世界があなたについた嘘。

ドラマチックなタイトルでこんにちはこんばんは、宍戸里帆です!
お久しぶりのnoteになってしまいすみません。
デビュー以降、有難いことにAV以外のお仕事も増えてバタバタしていたのですが、少しずつ自分のやるべき事を見据えられるようになったので改めてnoteの方も力を抜かずに頑張っていきます(* .ˬ.)"

現在、AV女優としてデビューし、約一ヶ月程が過ぎました。
正直、まだ一ヶ月しか経っていないの!?と思うほど、このお仕事を通じて体験した事、感じた事、考えた事が多過ぎて、既に人生二週目に突入している感覚です。
そんな私が今回皆さんに伝えたいのは、タイトルにもあるように"コンプレックス"にまつわる話です。

”コンプレックス”と聞くと、自分の中でも既にマンネリ化しているくらい、現代人にとってはお馴染みの、そして日本人の大好物のトピックですよね。
人は誰しもコンプレックスを抱いてるというのも常套句のようで、完璧に見える人ほどコンプレックスの塊だったり、コンプレックスが無いことをコンプレックスに思っている人もいたり、、、とにかく何かにつけて話題になります。
かくいう私もコンプレックスまみれの人間です。
そもそも、生まれてこの方、自分が何か人より特別に秀でているものを持っているとは全く思わず生きてきたので、自分の欠点ばかりが気になる人生でした。
それが理由でこの業界に足を踏み入れる事を悩んだ瞬間もありましたし、今も、きっとこの先も、それらが全て解消される日は来ないんじゃないかと思っています。
ただ、「コンプレックスまみれでネガティブな人生」で終われば潔くて良いものの、私が面倒なのは「"ナルシシズム"とは程遠い割に"自己愛"は強い」人間だという事。
だからこそ、本当の私という、唯一無二の存在を愛しほしいなんて本気で思ってしまうんです。
そんな私もこのAVというお仕事と出会ったことで、自身のコンプレックスについて改めて見つめ直し、新たな付き合い方を模索出来るにまでになりました。
今日は、そんな話をしたいんです。

が、その前に…

突然ですが皆さんの中で「BUST A MOVE(バスト ア ムーブ)」というゲームをご存知の方はどれくらいいますでしょうか、、!(超急ハンドル)
私が生まれる3年前の1998年に発売されたリズムゲームの走り的な存在らしいのですが、ゲームを全くやらない(というか多分向いてない)私が唯一夢中になったゲームでもあります*\(^o^)/*
私の両親は共働きで土日も基本仕事をしているのですが、小学校が休みの私と妹を家で大人しくさせておく為に、元々父親が所有していたこのゲームを数年ぶりに押し入れから引っ張り出して私達に与えてくれました。
VHSデッキが内蔵された分厚くて小さなテレビにPlayStation2を繋いで、個性豊かなキャラクター達を4拍の連続から成るコマンド操作で踊らせていました。
真横から当時のテレビを見ると画面が少し前に出っ張り湾曲していて、『ヴィデオドローム』(82)さながら、まるでキャラクター達が本当にテレビの中で生きているかのように思えました。
(ちなみに私は1に登場する「GAS-O」というキャラクターが好きなのですが、彼について語っていると大脱線しそうなので詳しい話は別の機会に…!)

このゲーム、キャラクター毎にテーマ曲があり、それらをavexがプロデュースしていることもあってか、平成初期のノスタルジーに想いを馳せたくなるような名曲ばかり。
特に印象深いのが、守永初美さんの『青空のknife』という曲。
ゲーム内では「キティーN(本名:キティー中島)」という架空のコスプレアイドルのステージ曲、且つ、インストが「バスト ア ムーブ1」自体のテーマソングにもなっています。
(ちなみにキティは毎日お昼の1時から放送している新番組『ラブラブ戦士キティが一番!』のメインMCで大忙し!そして振付師の土居先生(本名:マイケル土居)に片想い中…そんな仕事に恋に奮闘する彼女の凛々しい後ろ姿を今回の投稿のメイン画像にしました🐈)

先日、何となくこの曲の事を思い出して約5年振りくらいに聴いてみたんです。

驚きました。
はじめのフレーズから、心臓をぎゅっと鷲掴みにされたような感じがしました。
そして同時に、自分の中で感じていたAVという世界に対する想いを力強く代弁してくれているようにも思いました。

今、私が選んだお仕事は、文字通り"裸"で何かを表現するもの。
身も心も裸でいたいと望んだから、今の私があります。
でも、はじめから全ての武装を解き、人前に裸を晒す事に対して躊躇が無かった訳ではありません。
さっきも言ったように私自身コンプレックスの塊だったから、わざわざコンプレックスに感じているものを見せたくなかったし、人前に晒していいのかすら分からない。
正確には、本当はずっと”見せたい”と願って止まない私の心が、そう願った事すら思い出せないくらいにコンプレックスという魔物に蝕まれていました。

そもそも、自分のコンプレックスと真っ向から対峙する事を避けてきました。
それは私にとって、自分の身体の成長と変化に向き合おうとしなかった事を意味します。
サイズを間違ったままにしていたブラジャーは、不必要に身体を締め付け、跡を残しました。
些細なことで紅潮する頬を指摘されるのを恥じて、人前に立つ事は極力しないようにしました。
自分の笑顔が好きになれなくて、歯を見せて笑えない時期がありました。
周りより手が小さい事が嫌で、気付かれないようずっと拳を握りしめていました。
そんな風に生活していたら、いつしか自分という存在さえも、偽って生きるようになっていました。

でもこのお仕事を始めてからは、発育の早かった胸も少し大きめのお尻も、コンプレックスから全て大切な自分の強みに変化しました。
ましてや”笑顔”がチャームポイントになるなんて思ってもみなかった。
すぐに火照る顔は興奮度合いが見てる人にちゃんと伝わる。
小さな手で触れたところは全て大きく、雄々しく見せられる。
何より、ありのままの自分を肯定して生きられる。
コンプレックスを克服する為にこの世界に足を踏み入れた訳では無いけど、実際にお仕事をしていくうちに、今までずっとコソコソ悩んできた事が、全て"嘘"のように案外簡単に翻ったんです。
そして同時にこうも思いました。
今まで自分がコンプレックスに感じていたもの、それらは本当に全て"嘘"だったんじゃないかと。

今回の投稿を簡単に要約すれば、AVにおいては自分のコンプレックスが全て武器になったというような話をしているのですが、この話をした理由にAV業界を美化したいとか、擁護したいとかいうような思惑は一切無いし、同じくコンプレックスに悩む人に安易にこの仕事をオススメするなんて事も絶対に無いと言いきれます。

私にはAVの世界がどう見えているのか。
それを考えると常にある一つの答えに辿り着きます。
それは、私にとってこの世界が、とても"綺麗"な場所だという事。
あえて"綺麗"という言葉で形容しましたが、私の目にAVの世界は決してキラキラしたものとして映っていないというのは、デビュー前から今も、ずっと変わりません。
私が思うこの業界の魅力は、華やかで煌びやかに見える所にあるのではなく、むしろその逆で、人間のあらゆる"汚い部分"を受け入れてくれるところにあると感じています。
誰にも見せたくない、見せられない姿、イケない事、恥ずべき事として見て見ぬふりされてきた欲望、押し殺されてきた感情、本当の自分。
この世界だけは誰もが内に秘めている全ての"穢れ"を知っているから、他の何にも代え難いほど美しくて、尊くて、優しくて、罪深くて、それがとても"綺麗"なんです。

自分だけが”汚い”と思い込んでいた部分を受け入れてくれて、汚れてなんかいないと、”コンプレックス”なんてそんなもの、はじめから存在しなかったのだと、全て”嘘”だと言ってくれる。
私にとってAVとはそんな世界なのです。

だから私はもうコンプレックスなんて、ただの嘘だと思うようにしています。
それは世界があなただけについた嘘。
そんな嘘に傷付いてしまった時は、無理に認めなくても、好きになんてならなくても良い。
誰にでも、裸の心で生きられる世界がきっとあるから。
私があなたの証明になってみせるから。


” 世界中の嘘に 君が傷つくたびに
その傷口にあふれだすのさ
誰も帰れない 綺麗な青空 ”
/「青空のknife」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?